からだ

更年期症状はどうして起こるの?

更年期後の人生が長い現代。しっかり更年期について知り、うまく対応するのが生き方上手。
  • イラストレーション /ノグチ・ユミコ 

更年期は人生の節目。 心も体も元気でいるには

閉経を前に女性ホルモンの分泌量が急激に低下するのが更年期。エストロゲンの分泌は脳からの指令と卵胞からの分泌で1セットでした。これが、卵子の数が底をつき、脳が指令を出してもエストロゲンが分泌されず、「分泌したよ!」というフィードバックがないために、脳が「どうしたんだ! がんばれ!」と、さらに指令を出し続けるため、自律神経や感情が不安定になるのが更年期の症状です。

症状は人によってさまざま。代表的なのは体温調整がうまくできないホットフラッシュやメンタルの不調、関節などの痛み、眠りの質の低下などです。

更年期とはなんなのか、どんな症状が起きるのか、どうしたらいいのかを知っておくことで、必要以上の不安を解消するのがかしこい対策です。

更年期をちゃんと知る

更年期とは

閉経の前後約5年ずつが更年期。女性ホルモンの分泌が急激に減り始める40代後半から、閉経を迎え、その後分泌がほぼゼロになるまでの期間。これまで女性ホルモンが分泌されることで保たれていた体のバランスが変わり、さまざまな不調があらわれやすい時期。

更年期以降の不調

更年期の不調は大きく分けて4つ。ホルモンの分泌が減ることで混乱する自律神経の乱れ。女性ホルモンが直接関わる膣や粘膜の萎縮や皮膚トラブル。エストロゲンが担ってきた骨の防御機能の低下による骨粗しょう症。同じくエストロゲンがコントロールしてきたコレステロールの増加による動脈硬化や心臓、血管トラブルなどです。

更年期以降の体の不調

更年期は女性ホルモンの急激な減少によって体に不調が起こりがち。そのことを自覚して、女性ホルモンの分泌を促し、できるだけホルモン低下を先延ばしにすることを考えましょう。でも、減っていくのは自然なことと受け入れ、不安を抱かず、外から補うことを考えたり、不足による不調への対策を立てることが重要。

閉経とは?

排卵による妊娠待機と、子宮内のお掃除のサイクルが月経周期。このサイクルが終了し、子宮内膜がはがれ落ちる月経がこなくなるのが閉経です。日本女性の平均閉経年齢は50.5歳。これは今も昔もほとんど変わりません。

その症状、更年期障害かも!

◎記憶力や集中力が落ちる

ボーッとしたり、集中力が落ちたり、物忘れが増える。判断力が鈍ったり、話していたことが途中からわからなくなったり、ものごとを秩序だってできなくなる人も多い。

◎体温の調整がうまくできない

急に暑くなったり寒くなったりする。流れ落ちるほどの汗をかいたり、のぼせたり、ぞくぞく冷えたり、顔がほてったりする。

◎心が不安定になる

理由もないのにカッとなったり、イライラしたりする。抑うつ気分で何もする気が起きなかったり、ちょっとしたことにこだわって悩んだりする。

◎骨や関節が弱くなる

手首や指、ひざ、足首などの小さな関節が痛む。ペットボトルの蓋が開けられないなどの不具合も。特に朝、手の指がこわばったり、しびれたりする。かかとや足の甲などが痛むことも多い。

◎皮膚や粘膜が弱くなる

目がかゆい、目が乾く、口が渇いてうまくしゃべったり飲み込んだりすることができない。膀胱の粘膜が弱まって尿道口が痛む。頻尿や尿もれがある。膣が乾燥する。

◎冷えやむくみがひどくなる

手足やお腹、腰が冷えてどうにもならない。むくんで体重が増える。頭が重くなる。腰やまぶたが重い。だるい。冷えのぼせ状態が続く。

不調!と思ったら、 婦人科や更年期外来へ
更年期に起こる心や体の不調はさまざま。でも、内科や耳鼻科、眼科、皮膚科といった不調に対する医療機関を受診しても、原因が見つからないことが少なくない。でも年のせいなどと言われてあきらめていてはダメ。原因がわからなければ、婦人科や更年期外来を受診して! 更年期の治療で、劇的に改善することもあります。

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監修 対馬ルリ子(つしま・るりこ)

産婦人科医師・医学博士。医療法人社団ウィメンズ・ウェルネス理事長。弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産科婦人科学教室入局、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、現在対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿で多くの女性の診療にあたっている。2003年には女性の心と体、社会とのかかわりを総合的にとらえ生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、全国約600名の医師、医療保健関係者と連携し、さまざまな啓発活動や政策提言を行っている。

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