“チベット天山雪蓮菌(てんざんせつれんきん)”という名前を聞いたことはあるだろうか。SNSのハッシュタグ検索でも数件しか見当たらず、ネット上にもほとんど情報はなし。石黒美穂子さんは、そんな“謎”の菌を摂り始めて、気がつけば、約1カ月で3㎏痩せていたという。
「ヨーグルトの種菌、チベット天山雪蓮菌が私の手元に来たのは、2019年の8月末でした。海外に引っ越す友だちから、別の友だちに分けたいからそれまでの間だけ預かってほしいと頼まれたんです。ところが、軽い気持ちで承諾したものの、ただ冷蔵庫に入れておけばいいという菌ではなかった。1〜2日おきに菌を水洗いして牛乳を加え、24〜36時間発酵させてヨーグルトを作りながら生かし、育て続けなければいけなくて。最初はとんでもないものを預かってしまったな……と思いました(笑)。必死にネット検索してみるも情報は少なく、何が正解か今もわからないまま、なのです」
最近、腸内環境を整えると言われるヨーグルト種菌に注目が集まってはいるが、よく聞くのはカスピ海ヨーグルトやケフィアだろう。この“チベット天山雪蓮菌”は、チベットや中国雲南省などにある標高6000m以上の高山湿地帯に生息していると言われている菌。一般のヨーグルト菌とは異なり、複数の乳酸菌と多種多様な微生物を含んでいるため、相乗効果から腸内環境が改善されると噂だ。その結果、腸内デトックスにより肥満防止や疲労回復にもつながるらしい。
「とはいえ実際にチベットの人が食べているかどうかもわからないし、注意書きが多すぎて。たとえば、油と金属が苦手、素手で触れてはいけない、もし菌を落としてしまっても絶対に元に戻さないように……なんて見たら、こんなの怖くてムリ! 絶対できない、と思っていたんです。でも私、もともと腸活には興味があり、実際にやっていました。たとえば、毎朝ヨーグルト、バナナ、豆腐、豆乳、はちみつを入れたドリンクを作って飲んだりしていたので、ヨーグルトは欠かさず摂っていた食材でした。それで思い切って、少ない情報を元に菌を育てながら、ヨーグルトで腸活を始めてみたんです」