植村 冬は乾燥して肌荒れしやすいですが、うるおいのある肌を保つために必要な栄養素って何でしょうか?
山﨑 インナードライという言葉もあるぐらい、肌の内部の水分を保つ力が落ちている女性が多い。この水分保持能力を高めるために絶対的に必要なのがタンパク質です。それから肌の細胞をしっかり作るためにはビタミンB群と亜鉛、鉄、ビタミンCが必須。特に女性に欠乏しやすい鉄はメラニンを排泄するのに重要です。これらの栄養素が不足すると肌にハリやうるおいがなくなって、小じわができやすく、くすみが目立つようになりますね。
⬜︎ 甘いものが好き
⬜︎ 便秘、もしくは便がゆるい
⬜︎ 気分が落ち込みがち
⬜︎ 暴飲暴食をしてしまう
⬜︎ 抗生剤を一年に1回以上飲む
⬜︎ 胃薬が欠かせない
腸内環境の乱れにより、セロトニンがうまく作られず、鬱のようになることも。また甘いものを多く摂取すると、悪玉菌にエサを与えるばかりなので、腸の働きを悪くしてしまう。
植村 肌の乾燥といえば私はここ2〜3年、冬になると銀行のATM画面に指でいくらタッチしても、反応しなくてお金がおろせない問題が勃発しているんです（笑）。で、去年ぐらいに登場した保湿ドリンクを試しに2箱ぐらい飲んだら、ATM画面で無反応の頻度が減りました。
山﨑 効果があったんですね。これからは飲むスキンケアのような、腸に働きかけるものが増えていくでしょうね。
植村 母は80代ですが、オメガ3のオイルを飲むようにしたらたちまち便秘が解消して、1年間続けるとひどく乾燥していた手がしっとりしてきました。母はスプーン1杯のえごま油を牛乳に垂らして飲んでいて、私もすすめられたのですが、えごま油は味がちょっと苦手で、この3カ月ぐらいMCTオイルを摂っています。ドレッシングに入れたり、納豆や冷奴に垂らしたり、味にクセがないので調理に使っています。
山﨑 オイルは大切ですね。MCTオイルはエネルギーの供給がメインなので朝に摂るといいんです。中鎖脂肪酸100％で消化吸収がよく、温かいものにかけても大丈夫です。えごま油やアマニ油のようなオメガ3のオイルは抗炎症作用があるので、腸の炎症を抑える働きがありますが、加熱すると効果が薄れます。バランスが大事で、女性が避けがちな肉の脂やバターといった飽和脂肪酸も、ある程度摂らないと細胞の膜が安定化しないんです。
植村 どのぐらいの割合で摂れば?
山﨑 理想はオメガ3が1に対して、ごま油、コーン油といった日常で多く摂取しているオメガ6を2〜4ぐらいまでにしたいです。腸は2〜3日ほどで腸粘膜の細胞膜がどんどん入れ替わっているので、そのサイクルで上質の油を摂ることを心がけてください。
⬜︎ タンパク質
（動物性、植物性ともに）
⬜︎ ビタミンB群
（豚肉、納豆、かつお、レバー、ほうれん草など）
⬜︎ ビタミンA
（にんじん、うなぎ、モロヘイヤ、豚・鶏レバーなど）
⬜︎ 鉄
（レバー、煮干し、しじみ、岩のり、ごまなど）
⬜︎ 亜鉛
（牡蠣、豚レバー、牛肉、かに、玄米など）
⬜︎ ビタミンD
（卵、魚の干物、いわし、きのこ類、きくらげなど）
⬜︎ ビタミンC
（赤・黄ピーマン、ブロッコリー、芽キャベツなど）
⬜︎ コラーゲン
（牛すじ、鮭、さんまの開き、フカヒレなど）
食べているつもりでも、消化吸収がうまくいかずにきちんと栄養が摂れていないのが現代人。右記の栄養素が不足すると、腸内に悪玉菌が増えて、体内の鉄や亜鉛などを奪い取っていくことになり、肌に不調が現れる。
植村 消化吸収をよくするために、食生活に取り入れたらよいものがあれば教えてください。
山﨑 それは「HOPE」を意識することです。食物繊維、油、腸内細菌のエサ、酵素の英語表記の頭文字を合わせた言葉で、まさに「腸活の希望」になります。中でも食物繊維は一番と言っていいぐらい大事です。腸の粘膜の栄養源となる短鎖脂肪酸を作ったり、ミネラル吸収のサポートをしたり、腸のぜん動運動を助けてくれます。
●High fiber／食物繊維
【ハイファイバー】腸のぜん動運動を促す。不溶性だけでなく水溶性食物繊維も含む。
●Oil／良質な油
【オイル】オメガ3・6・9のオイルをバランスよく摂るのが理想。
●Prebiotics／腸内細菌のエサ
【プレバイオティクス】オリゴ糖や一部の食物繊維に含まれる。サプリメントで補うのも可。
●Enzyme／酵素
【エンザイム】新鮮な生の食材（野菜・フルーツ・肉・魚）、発酵食品に含まれる。
植村 食物繊維としては野菜や海藻、きのこなど満遍なく食べています。家族も会食や外食が多いので、せめて家にいる時はちゃんと栄養バランスを考えた食事にしたくて、たぶん30品目以上は摂っていると思います。
山﨑 それは素晴らしいですね。植村さんちのごはん食べたいです（笑）。ただ、食物繊維には水溶性と不溶性があって、不溶性のものばかり摂っていると便秘がちな人は悪化させてしまうことがあるので、水溶性のものもちゃんと摂ったほうがいいです。
植村 ネバネバ系のものは水溶性が多いし、一日の食事の中でバランスよく摂ることが大事ですよね。
山﨑 しかも食物繊維は善玉菌のエサ、「プレバイオティクス」にもなって、悪玉菌の増殖を抑え、整腸作用を助けます。よく耳にする「プロバイオティクス」は乳酸菌やビフィズス菌などの生きた菌のこと。発酵食品、納豆やキムチ、ぬか漬け、あと乳酸菌サプリなどが入ります。腸には生きた菌でないと意味がないと言われていましたが、死んだ菌も善玉菌のエサになるし、善玉菌が活性化するようなシグナルを出してくれます。生きた菌と死んだ菌論争で言えば、どちらも大切です。
植村 私は頑固な便秘だったんですけど、2年前に乳酸菌サプリですごく相性のいいものに出合って改善されたんです。それまでも高価な乳酸菌サプリとか、いろいろ飲んでみましたが、一度も効果を感じたことがなくて諦めていました。でも、いま飲んでいる乳酸菌サプリは一日1錠で効果てきめん。面倒くさがり屋の私でも続けられるし、乳酸菌にも相性があるんだなって実感しています。
食物繊維は満遍なく食べてますが、水溶性を摂るのが大事ですね。（植村さん）
消化酵素の不足は、食べ方の工夫をしたり、サプリも効果的です。（山﨑さん）
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