吉川 低用量ピルは一度、様子をみようと休止した時期があったのですが、そうしたら途端に調子が悪くなって慌てて再開。閉経後はホルモン補充療法にすぐに切り替えました。体調もいいですし、何より気分が明るくなりますね。
対馬 ホルモン補充療法を行うと、最初の診察時はつらそうだった人も、「体も心も楽になりました」と顔つきが明るくなることが多いですよ。更年期以降、女性は骨が弱くなるので、女性ホルモンを補うと骨折を防げる率も高くなります。使うメリットは多いので、50代から始めるのがおすすめですね。
吉川 ホルモン補充療法で使う女性ホルモン剤には種類がいろいろありますよね。
対馬 飲み薬、貼り薬、塗り薬の3種類があり、エストロゲン剤とプロゲステロン剤の両方を補います。
吉川 私は皮膚に塗るタイプのエストロゲン剤と飲み薬のプロゲステロン剤を処方してもらっています。
対馬 女性ホルモン剤の種類や組み合わせは、患者さんの状態でさまざま。うちのクリニックの場合は、まず問診をして、SMI(簡略更年期指数)で更年期症状の重症度、SRQ-D(ストレス指数)もチェックし、血中ホルモン値なども測って処方します。
吉川 私は女性ホルモン剤と併せて、時々漢方薬も飲んでいます。
対馬 漢方薬は、ホルモン補充療法と相性がいいですよ。同じ症状でもその人の体質や気質を判断し、たとえば自律神経の症状があれば加味逍遙散(かみしょうようさん)、更年期に起こりやすい喉のつまりには半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)など、その人に合ったものを使います。