土地の力が弱くて雑草もそんなに生えない。日本は高温多湿で二毛作ができるくらい豊かな国土ですから雑草の種類も勢力も強い。だから日本人は親の敵のように草むしりをして狭い土地の生産性をあげる。鎖国時代を思えばわかりやすいですが、この狭い国土でエネルギー、食料を自給できていたというのはすごいことです」
ただし、我々がイメージするほど雑草の生命力は強くはない。森や林には生命力旺盛な樹木が茂るので雑草の生える余地はなく、結果、雑草は人間の暮らしのそばに生息することが多いのだという。
「むしられるとか踏まれるとか、植物にとっては異常な状態です。自然界では起こらないことですから。雑草は弱いながらもこの1万年ほどで、人間の暮らしに対応した特徴を獲得してきているのです」