生活も規則正しくなったそうで、
「毎朝5時にヤギに起こされ、小屋の掃除や散歩。午後もあれこれ用事や作業があって夜9時くらいには眠くなってしまうので、本を読む暇がないのが悩みです」
本書は内澤さんが東京脱出を思い立ち、移住先を探し、家を見つけ、島の暮らしに溶け込むまでの顛末を描いている。移住先の土地の選び方や島の家賃相場、離島への引っ越し手段とその費用、人間関係で気をつけるべきことまでとても具体的。臨場感があって面白く、地方での暮らしに憧れている人には大いに参考になると思う。
印象的なのはふらりと島に移住してくる30代、40代の単身女性が多いというエピソード。短いサイクルで出て行く女性も多い。
「漂ってるんですねえ。配偶者でも見つかれば別ですが、女の人が島に居つくのは難しいのかな。私だって居ついてるのかどうか」
とはいえ内澤さん、東京へ戻る気はさらさらない。島暮らしは「夢じゃない?」と思うほど楽しいし、家族同然の動物たちがいる。