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#05 2人の間のずれが教えてくれるもの
〜夫婦で築く「信頼」とは。

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日常の小さな気付きから、社会問題まで。行政書士である筆者が、これまで相談を受けた経験と世の中の動きを元に、「夫婦を中心として人間関係を整える」ヒントを伝える連載コラムです。

こんにちは!マリッジデザイナーの湯原玲奈です。

誰かと話しているときに共感したり反論したり。相手と自分を繋げるかけ橋がコミュニケーションだとすると、コミュニケーションは深くすればするほど、プラスマイナス両方の側面で相手と自分についての発見があるということ。では、あなたとパートナーとの間の意識が思っていたことと違っていたら、あなたはどうしますか?今日はそんな「二人の間のずれが教えてくれるもの」というお話です。

私の会社で提供しているサービスの中に、カップルが30問の質問に答えることで2人のコミュニケーションの今が浮き彫りになるという「ウキボリックカルテ」というものがあるのですが、その体験をされた夫婦のお話です。

その中に、「最近、夫婦2人だけで過ごした時間はあるか」という質問があるのですが、このご夫婦はそれぞれが別々の回答をしていました。妻が「過ごした時間はある」と答えたのに対し、夫は「過ごした時間がない」と答えたのです。これだけ見ると「この夫婦、大丈夫?」と思うかもしれませんが、ここに新しい発見が隠れていました。

どうしてそう答えたのかインタビューしてみると、妻のいう2人の時間とは、夜2人で会話をする時間のことでした。ご夫婦には小学校低学年のお子さんが1人いらっしゃいます。夫の帰宅はまちまちなので週に一度あるかないかですが、子供が寝静まり妻も一仕事を終えた時間に、2人でお酒でも一杯飲みながらたわいもない会話をするだけの時間を指していました。

一方の夫はと言うと、2人だけで外に出て時間を楽しむことが2人の時間だと思っているので、そういう外出は最近全くしてないなと思い、「ない」と答えたそうです。夫は最近忙しくて申し訳ないという罪悪感を持っていることに気付いたので、この答えを知ったとき、「そんな風に思ってたの?!」と驚いたそう。

夫の思いとは裏腹に、妻としては夜の2人の小さな会話を、いい時間としてとられていたのですね。大事だと思っていることに対して、答えは違うけど、夫には「そんな小さなことでもよかったんだ」という気付きがあり、妻は「2人の時間が取れないことを夫は申し訳ないと思ってくれていたんだ」と知ることができました。このやりとりの結果、じゃあ今度2人で久しぶりにランチにでも行こうか、という話になったのでした。

Night and Day Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo

Night and Day Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo

物事の捉え方の違いが答えに現れた例ですが、このご夫婦は、お互いに信頼しているのだと思います。夫婦で「信頼」が大事なんてあたりまえ!  でもそれが難しいのよ…という声が聞こえてきそうですが、ここには深い意味があるのですよ。夫婦間での信頼とは「相手も私のことを尊重してくれていると信じている」ことだと私は思っています。

もし2人が同じように「時間を過ごしていない」と答えていた場合で、それに対しどちらかがモヤモヤや不満を持っているとしたら、そこには期待という感情があるのだと思います。もし怒りがあるとしたらそこには寂しさという感情もあるかもしれません。期待という感情は、人間が持つ当然の感情ですが、もともとは「自分が相手にこうしてほしい・こうあってほしい」という自分を基準とした相手への思いですから、下手をすると相手を縛り責め立てる道具となってしまいます。

妻に対して「申し訳ないなあ」と罪悪感を持っていることに気付いた夫と2人で出かけたりしたいと思いながらも、仕事や子どものことを考えるとなかなかそんな時間を取れないことはわかりきっているので、「今できていることの中で」いい時間を見つけていた妻。2人は共に、自分を中心とした判断をしていません。この夫婦の場合は、特に妻が「夫は私を尊重してくれている」と信頼しているから、期待をせずにいられるのですね。これを「綺麗ごとだ」と思う人がいたら、それはあなたがパートナーを信頼していないからです。

もしもあなたが、パートナーとの間に何らかの違いを見つけてモヤモヤしたら、その判断基準が「期待」から来ているものではないかどうかと疑ってみてください。期待はすべてが悪いことではありませんが、あくまでその基準は「自分」にあることを忘れないで。たいていの夫婦喧嘩は、「期待」から始まっていると言っても過言ではないくらいです。

自分が相手に尊重してもらっていると信じられるから、自分も相手を思いやることができるようになる。それでも夫婦の違いが見えてきます。そうやってちょっとずつ、夫婦は関係を築いていきます。そしてそこには当然、喧嘩があってもいい。喧嘩も大事なコミュニケーションの一つですから。

夫婦の間の「期待」と「信頼」。あなたとパートナーとのことに置き換えてぜひ考えてみてくださいね。次回は「夫婦喧嘩」を取り上げてみることにしましょう。喧嘩こそ、新しい発見ができるコミュニケーションになるのです。それではまた!

※今回取り上げたご夫婦の事例はご本人様からの了承を得て掲載しております。

連載バックナンバーはこちらから。
https://croissant-online.jp/column/marriagenote/

【バナーのハート作品】©️ Koichi Nishimura  https://www.facebook.com/koichi.nishimura

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