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アジア料理にも似合う「和の器」──料理家・ワタナベマキさんの我が家の食卓に欠かせない器

気がつくと、手に取ってしまうお気に入りの器。実際に家で使って扱いやすく、料理を引き立ててくれる器を料理家・ワタナベマキさんに聞きました。

撮影・川上朋子 文・熊坂麻美

「和の器」を紹介してくれたのは……
料理家・ワタナベマキさん
素材を生かしたシンプルな料理や保存食に定評があり、幅広いメディアで活躍。夫と息子と猫2匹と暮らし、自然体でおしゃれなライフスタイルも支持されている。

ワタナベマキさんの食器棚には、日本の作家ものの器が多く並ぶ。

「シンプルで表情に味わいがあるものや、薄手でシャープな佇まいの器を選んでいます。なぜなら、和食はもちろん、洋食やエスニックなど、どんな料理にも使いやすいから。白やベージュ、茶色、青磁がメインなので、どう合わせても食卓がまとまる良さもあります」

購入先はもっぱら、ふらりと入った器店や作家の個展で。器を手にした時、盛りたい料理がパッと浮かんだら“買い”。器から伝わる作り手の感性に刺激され、新たな料理をひらめくことも。

「魅力ある器は、あれを作ろう、次はこれをと、ウキウキした気持ちで料理させてくれます。お気に入りの器は長く使いたいので、金継ぎも習っています」

来客に冷茶をふるまう時はこのセットで

坂見工芸《お盆 鍍銀》/鷲塚貴紀《ガラスカップ、ピッチャー》 〈お盆〉直径29×高さ2cm 2万8600円 東屋 TEL:03-6433-7980 <a href="https://azmaya.co.jp/" target="_blank">https://azmaya.co.jp/</a> 〈カップ〉口径7×高さ6cm、〈ピッチャー〉口径8.5×高さ11cm WASHIZUKA GLASS STUDIO <a href="https://www.washizukaglass.com/" target="_blank">https://www.washizukaglass.com/</a>
坂見工芸《お盆 鍍銀》/鷲塚貴紀《ガラスカップ、ピッチャー》 〈お盆〉直径29×高さ2cm 2万8600円 東屋 TEL:03-6433-7980 https://azmaya.co.jp/ 〈カップ〉口径7×高さ6cm、〈ピッチャー〉口径8.5×高さ11cm WASHIZUKA GLASS STUDIO https://www.washizukaglass.com/

職人が一枚ずつ「ヘラ絞り」という技法で成形した真鍮銀メッキのお盆と、生活に溶け込む美しさを追求したガラス作家の作品。

「お盆は10年以上使っていて、ホールケーキをのせるなど器としても重宝。伝統的な吹きガラスで作られた鷲塚貴紀さんの作品は、グレーがかった色みと形、縁に施された黒と赤のラインが美しく、手なじみもいい。アイスやフルーツポンチを盛り付けても素敵に見えます」

温かみと透明感を併せ持つ万能皿。毎日のように活躍

安齋新・厚子《青磁ねじり小鉢、菊花皿》 〈小鉢〉直径14×高さ4.5cm 各4,400円、〈皿〉直径19×高さ3.5cm 各7,150円 日々 TEL:03-3571-0520
安齋新・厚子《青磁ねじり小鉢、菊花皿》 〈小鉢〉直径14×高さ4.5cm 各4,400円、〈皿〉直径19×高さ3.5cm 各7,150円 日々 TEL:03-3571-0520

「京都で作陶する安齋さん夫婦。繊細さと温かみが同居するような表情と、うっすら緑がかった器肌に惹かれて揃えました。小鉢は副菜やスープに、菊花皿は焼き魚や炒め物など、幅広い料理に使えて本当に便利です」

ふだん使いもおもてなしも叶う上品な蓋付き碗

海野裕《暦手蓋付碗》 直径11×高さ6.3cm(蓋 直径10×高さ2.8cm)7,700円 暮らしのうつわ 花田 <a href="https://www.utsuwa-hanada.jp" target="_blank">https://www.utsuwa-hanada.jp</a>
海野裕《暦手蓋付碗》 直径11×高さ6.3cm(蓋 直径10×高さ2.8cm)7,700円 暮らしのうつわ 花田 https://www.utsuwa-hanada.jp

細やかな暦手文様が施された染付のお碗は、九谷焼の技法をベースにした器を手がける海野裕さん作。

「古伊万里を思わせる、淡いブルーの染付が食卓に映えます。ごはんやちょっとした煮物などにちょうどいいサイズです」

薪窯の炎と灰から生まれる表情が魅力。注ぎ口もポイント

亀田大介《片口鉢》 横18(注ぎ口込み)×高さ8.2cm <a href="https://www.instagram.com/daisukekameta/" target="_blank">Instagram:@daisukekameta</a>
亀田大介《片口鉢》 横18(注ぎ口込み)×高さ8.2cm Instagram:@daisukekameta

白磁や灰釉などの器を作る亀田大介さん。薪窯焼成による力強い器肌が持ち味のひとつ。

「片口は汁気のあるものに限らず、サラダや和えものにも使ってほしい。注ぎ口がアクセントになって普段の料理もおしゃれに決まります」

使うほどに美しさを増す焼き締めの器

二階堂明弘《中鉢》 直径20×高さ6cm 8,800円 うつわ baseFUURO <a href="https://www.instagram.com/utsuwa_base_fuuro/" target="_blank">Instagram:@utsuwa_base_fuuro</a>
二階堂明弘《中鉢》 直径20×高さ6cm 8,800円 うつわ baseFUURO Instagram:@utsuwa_base_fuuro

土の質感と経年美を引き出す、焼き締めの器を作る二階堂明弘さん。海外でも個展を開催して注目される。

「器の絶妙な薄さと土の表情が料理を引き立て、食卓の主役をはれる存在感です。軽くて扱いやすいところも良き」

暮らしに寄り添うモダンな漆器はインテリア要素も

八代淳子《長皿》 44×16×高さ2cm <a href="https://www.junko-yashiro.net/" target="_blank">https://www.junko-yashiro.net/</a>
八代淳子《長皿》 44×16×高さ2cm https://www.junko-yashiro.net/

自身で木地から作る八代淳子さんの漆器。

「木地の削り跡をデザインに生かしたモダンな佇まいは、置いておくだけで絵になります。おにぎりのようなシンプルなものでも、これに並べるだけでごちそうに見えます」

※全て私物を撮影しています。価格のないものは現在販売されていません。
  • ワタナベマキ

    ワタナベマキ さん

    料理家

    素材を生かしたシンプルな料理や保存食に定評があり、幅広いメディアで活躍。夫と息子と猫2匹と暮らし、自然体でおしゃれなライフスタイルも支持されている。

『クロワッサン』1151号より

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