「俯瞰(ふかん)」のポーズで上から見れば、視点が変わる。【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
人生に行き詰まってしまうこと、誰にもありますね。その状況から
抜け出すために必要なのは、視点を変えること。カラダから覚えましょう。
抜け出すために必要なのは、視点を変えること。カラダから覚えましょう。
撮影・森山祐子 構成&文・越川典子
〈俯瞰〉“上から見れば、視点が変わる。人生を見る目も変わるかも。”
俯瞰とは、高いところからものごとを眺めること。全体を把握すること。広い視野をもつ、あるいは視座を変えることは生きるために必要なことです。
もし、仕事上の悩みがあるとしたら、まず会社全体を、次に業界全体を眺めてみましょう。もっと言えば、世の中がどんなふうに変化しているのか、人の気持ちがどんなふうに動いているのか考えてみる。
すると、こだわり続けていることが些末なことと感じたり、自分の意思で歩んでいるはずの道が、ゴールとはずれていることが見えたりすることがある。つまり、大局をつかむことであらたな気づきを得る可能性があるからなのです。
もう一人の自分が、上のほうで自分を見ている。そんな感覚、持ったことがないでしょうか。たとえば、神社の境内でガムの包み紙をポイッと投げ捨てる人はあまり見かけませんね。それは、どこか上のほうで神様やお天道様が見ている。神様やお天道様でなくても、自分が見ている――そういう視座が、日本人のカラダにしみついている気がしています。
この感覚を理解できなくても、スカイダイビングのポーズをとれば、あなたはもう空の上にいます。下を眺めれば、人間が、自分自身が小さく見えています。そう実感できたとき、自ずと視野が広がっているはずです。
スカイダイビング
うつぶせになって両手はカラダの横に、両脚は肩幅より広めに開きます。まず右手、左脚を上げてバランスをとり、次に左手、右脚を上げます。頭を上げて目線は正面を見ます。深い呼吸で8秒キープ。1日1回。
『クロワッサン』1100号より