肌に痒みがある時に。肌トラブルに良いはと麦と野菜の献立【週末肌養生ごはんのレシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・新田草子 食材提供・ビオ・マルシェ 撮影協力・日々器
肌にかゆみがある
肌のバリア力が低下して起きるかゆみには、肌トラブル全般に良いはと麦を白米に混ぜ、さらにはと麦茶で炊いたダブルはと麦ご飯を。免疫力を司る腸の汚れを取り除く本葛は、優しいとろみが身上。香ばしい焼きねぎや焼き豆腐と共に、体が温まるスープに。
●長ねぎと焼き豆腐のとろとろスープ
【材料(2人分)】
長ねぎ 1本(100g)
焼き豆腐 1/4丁(約75g)
出汁(または水)400ml
葛粉 大さじ2(15g)
塩 小さじ1/2
しょうゆ 小さじ1/3
七味唐辛子 適宜
【作り方】
1.長ねぎは3cm長さに切る。葛粉は出汁の一部(大さじ3程度)で溶いておく。
2.熱したフライパンまたは焼き網で、焼き目がしっかりつくまで長ねぎを焼く。
3.鍋に残りの出汁を入れて強火にかける。沸騰したら中火にして、焼き豆腐を大きめに崩しながら入れる。2の長ねぎも加える。
4.溶いておいた葛粉を加え、木べらでかき回しながら火を通す。汁が透明になり、全体にとろみがついたら火を止めて、塩としょうゆで調味する。
5.器に盛り、好みで七味唐辛子を振る。
●はと麦茶ご飯
【材料(2人分)】
米 3/4カップ
はと麦 大さじ2
はと麦茶(煮出したもの)200ml
塩 小さじ1/4
煎り白胡麻 小さじ1/2
クレソン 適宜
【作り方】
1.米とはと麦は一緒に洗い、ざるに上げて水気を切る。冷ましたはと麦茶と共に炊飯器に入れ、塩を加えて混ぜる。1合分の目盛りに足りなければ水を加えて炊飯する。
2.炊き上がったらしゃもじで天地を返し、煎り白胡麻と、好みで刻んだクレソンを加え、さっくりと混ぜ合わせる。
穀物菜食の週末肌養生ごはん
「肌は内臓の状態を映す鏡のようなもの。肌にトラブルがある時は、内臓も疲れているのです。消化に負担がかからない穀物と野菜中心の食事で、胃腸を休めてみてください。腸内の働きが整うことで体内の循環が良くなり、肌も次第に元気を取り戻しますよ」
とは、菜食料理研究家の野本弥生さん。自身も40代手前の十数年前、多忙を極めた会社員時代に長野県安曇野市のリトリート宿泊施設で穀物菜食と出合い、心身の変化を実感した。
「出されたのは玄米ご飯と、根菜の煮物や漬物。見た目は地味でしたが、ゆっくりと噛んで食べたらおいしくて。少量でも満足感があって、たくさん食べたくならないことも新鮮でした」
何より翌日の、体が軽くなって思考がクリアになる感覚に驚いたという。
「以来、休みが取れると安曇野に通うという生活に。仕事に忙殺されてストレスが溜まっていた頃は肌の状態も悪くて、鏡に映る老けた自分にぎょっとしたこともありましたが、気づけばそんな悩みもなくなっていました」
やがて、退職を機にリトリート宿泊施設のスタッフとして働くことに。厨房の要として、味わいも見た目も楽しいメニューを提案し、利用者から厚い信頼を得るようになる。現在は独立し、移住した安曇野を中心に全国各地でリトリートや料理教室を開き、穀物菜食の魅力を伝えている。
野本さんの考え方はシンプルだ。
「まずは腸を元気にすることが大事。根菜や海藻、発酵食品を摂りながら、お腹が温まる汁物を。本当に疲れているときは無理に食べず、お吸い物や葛湯だけで胃腸を労るのも一案です」
今回、肌の悩み別に提案してもらったメニューはどれも滋味深く、体にしみるおいしさだ。
「忙しい人ほど自分のことは後回しにしがち。時間のある週末に、心と肌を養生する気持ちでゆったりと作り、楽しんでもらえたらうれしいです」
(肌養生ごはんのコツ)
●基本の調味料は良い素材のものを。
●出汁は昆布+椎茸の水出しで。
●味噌やきのこ、ナッツでうまみと食感をプラス。
野菜の繊細な持ち味を生かすために、調味料は天然素材で作られたものがおすすめ。煮物やスープは水で作っても充分おいしいが、昆布としいたけの出汁を使えばさらに風味がアップ。もの足りなく感じる時は、きのこや味噌、ナッツなどを上手に使ってメリハリをつけるとよい。
『クロワッサン』1088号より
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