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β-カロテン&リコピンで抗酸化、にんじんの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。

野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

【 β-カロテン】&【リコピン】で【抗酸化】。【目】も健康に。

【栄養豊富な旬の時期】通年
4月からは春にんじん、8月頃からは秋冬にんじんが出回り、ほぼ通年が旬の野菜。

【体に効く選び方】赤色が強く、先が丸め
皮につやとハリがあり、赤色が濃く、葉の切り口がみずみずしいもの、先が丸いものがおすすめ。葉を切り落とした切り口の部分が太いと芯も太くて硬い。

【体に効く食べ方】油と一緒に摂る
β-カロテンを効率よく吸収させる油とともに調理するといい。ビタミンCを酸化させる酵素があるが、体内で効力のある形に再変換されるので問題ない。生食がおすすめ。

【栄養を守る保存方法】野菜室で立てて保存
ポリ袋に入れて立てた状態で野菜室へ入れるのが基本。汁物や煮物用にはせん切りやいちょう切りにして冷凍してもOK。

【重さの目安 1本約150g】 [注目成分] β-カロテン ビタミンC カリウム カルシウム [エネ…

【重さの目安 1本約150g】

[注目成分]
β-カロテン
ビタミンC
カリウム
カルシウム

[エネルギー]
39kcal/100g

[食物繊維]
2.8g/100g

(Topics 1)葉付きにんじんを 見つけたら、迷わず手に入れて

スーパーではほとんど見かけない葉付きにんじん。でもにんじんの葉にはβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、カルシウムなどが、根以上に含まれるので、見つけたら迷わず手に入れ、炒め物やスープの具などに活用したいもの。

(Topics 2)赤みの強いにんじんや黒や黄色の品種も。色で変わる効果

いま、スーパーなどで一般に流通しているのは、比較的先が太い西洋種。日本では昔からさらに赤みの強い京にんじんや金時にんじんなどが食べられてきた。色が濃い分、色素成分も多いので見かけたら活用してみたい。ほかにも黄色や黒などの品種も。

β-カロテン&リコピンで抗酸化、にんじんの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

抗酸化効果は抜群。 β-カロテンが力を発揮!

β-カロテンの含有量が抜群のにんじん。カロテンの語源は、にんじんの英名キャロットだともいわれています。高い抗酸化効果があり、免疫力アップ、感染症予防、がんや生活習慣病の予防など、さまざまな健康効果があります。

β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変わって皮膚や粘膜を守ったり、角膜や網膜を健康にする効果もあります。

β-カロテンは油と一緒に摂ると、油に溶け出すことで吸収がよくなります。油で炒めたり、ドレッシングであえるといいでしょう。にんじんの酵素はビタミンCを壊すとされ、サラダに加えるのを控えた時期もありますが、分解されたビタミンCは体内で再合成(還元)されることがわかったので、こだわる必要はありません。

生で食べる際には、脳や血管を丈夫にするアマニ油やえごま油などのオメガ3系の油をひとたらしすると、相乗効果が期待できます。β-カロテンは熱にも強いので食べ方を選びません。

油炒めで効率よく食べる! 保存食で毎日食べる。

β-カロテン含有量はピカイチのにんじんをしっかり体に効かせるなら、油と食べるのが一番。手早く炒めてビタミンを守り、卵で血管強化も。生のにんじんスティックをヨーグルトに浸けておけば、ほんのり酸味が食欲を促し、カルシウムの補給にもなります。

にんじんしりしり

β-カロテン&リコピンで抗酸化、にんじんの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

【材料(2人分)】
にんじん …… 1本(200g)
卵 …… 2個
削り節 …… 1/2袋(2g)
砂糖 …… 小さじ1/2
塩 …… 少々
サラダ油 …… 小さじ2
胡椒 …… 少々

【作り方】
1.
にんじんはせん切りにする。ボウルに卵を割りほぐし、砂糖、塩ひとつまみを加えて混ぜる。
2.フライパンにサラダ油を熱してにんじんを炒め、塩少々と胡椒を振り、削り節を加えてひと混ぜし、卵を回し入れて炒め合わせる。

にんじんのヨーグルト味噌漬け

日持ち 汁気を切り、 冷蔵室で2〜3日
日持ち 汁気を切り、 冷蔵室で2〜3日

\味噌とヨーグルト、発酵食品をダブルで。/

【材料(2人分)】
にんじん …… 1本(150g)
塩 …… 少々
A  味噌 …… 大さじ2
  プレーンヨーグルト…… 大さじ3

【作り方】
1.
にんじんはスティック状に切り、塩を振って5分ほどなじませ、水気をふき取る。
2.袋にAを入れてよく混ぜ、1を入れてよくなじませ、冷蔵室で一晩漬ける。

  • 名取貴光

    名取貴光 さん

    食品成分研究者 医科学博士

    山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

  • 岩﨑啓子

    岩﨑啓子 さん

    管理栄養士 料理家

    聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

    ※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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