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がん予防、免疫力強化、老化防止によいスルフォラファン豊富なブロッコリー、体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。
  • 野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

【抗酸化作用】のある【スルフォラファン】は【がん】も予防。

【栄養豊富な旬の時期】11〜3月
一年中出回るが、冬においしくなる。夏に売られているものは、ほとんどが北海道産。

【体に効く選び方】つぼみがしっかりしたもの
全体にこんもりと丸く、硬いつぼみがぎっちりと密集しているものがおすすめ。花が咲きかけているものは収穫後に時間がたっている。茎の直径が500円玉くらいが適切。

【体に効く食べ方】蒸して食べるのが最強
加熱して食べるのが一般的で、おすすめは電子レンジや蒸し器を使う方法。ゆでると有効成分が流れ出してしまう。煮込む場合は下ゆでせずに生から使うといい。

【栄養を守る保存方法】野菜室で立てて保存
ポリ袋に入れて野菜室で立てて保存する。鮮度が落ちやすいので早く使い切る。加熱調理するなら硬めにゆでて冷凍しても。

【重さの目安 1株約300g】

[注目成分]
スルフォラファン
β-カロテン
ビタミンC
カルシウム
カリウム、鉄

[エネルギー]
40kcal/100g

[食物繊維]
5.1g/100g

(Topics 1)目新しいのは茎を食べるスティックセニョール

丸いブロッコリーが一般的だが、最近では長く伸びた茎が特徴のスティックセニョールやはなっこりーなどのバリエーションも出回っている。不思議な形のロマネスコも同じ仲間。栄養価はほぼ同じだが、見た目の変化で飽きずに食べられる。

(Topics 2)茎まで上手にムダなく食べるポイントは……

小房に分けてつぼみ部分だけ活用し、茎を捨ててしまうのはまちがい。まず房を切り、残った茎の部分は厚めに皮をむいて食べやすい大きさに切り、一緒に加熱して食べるのが正解。さらにムダなしにするには、皮はせん切りにしてきんぴらにしても。

スルフォラファンは活性酸素を撃退。

ブロッコリーにはスルフォラファンというすぐれた抗酸化効果のあるファイトケミカルがたっぷり。がんの予防、免疫力の強化、老化防止にも一役買っている成分なので、こまめに食べたい野菜です。

色素成分β-カロテンに加え、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類もしっかり含んでいます。血圧を安定させ、むくみをとるカリウム、貧血解消に役立つ鉄、血糖値をコントロールするクロムなどのミネラル類も豊富で、生活習慣病対策に広く役立ちます。

加熱して食べるのが一般的ですが、ビタミンCは水に溶けやすく熱にも弱いので、おすすめは電子レンジ調理。湯を使わず、加熱時間も短いので有効成分をしっかり残せます。ゆでるのと蒸すのでは栄養素の損失量が違います。

β-カロテンをしっかり摂るには油が重要。炒め物、揚げ物など、バリエーションを広げると飽きずに食べられます。成分は茎にも含まれるので、捨てずに活用しましょう。

ゆでずにさっと加熱して毎日免疫力アップに!

ブロッコリーをゆでるのはもったいない。電子レンジで栄養素の損失を防ぎ、加熱時間を短くするのが得策です。β-カロテンをしっかり摂るなら油と一緒が鉄則。肉のたんぱく質や脂質も摂れる炒め物、油で短時間加熱をする揚げ物はいかがでしょう?

麻婆ブロッコリー

【材料(2人分)】
ブロッコリー …… 200g
豚ひき肉 …… 100g
長ねぎ …… 1/4本
にんにく、生姜…… 各1/2片
サラダ油 …… 小さじ2
A  醤油 …… 小さじ2
  甜麺醤 …… 小さじ1
  豆板醤 …… 小さじ1/2
B  酒 …… 大さじ1
  中華スープの素…… 小さじ1/2
  胡椒 …… 少々
  水 …… 1/2カップ
片栗粉 …… 小さじ2
ごま油 …… 小さじ1

【作り方】
1.
ブロッコリーは大きめの小房に分け、耐熱容器に並べてラップをかけ、電子レンジで1分30秒ほど加熱する。長ねぎ、にんにく、生姜はみじん切りにする。
2.フライパンにサラダ油を熱し、ひき肉をポロポロになるまで炒め、にんにく、生姜を加えてさらに炒め、Aを加えて炒め合わせる。
3.よく混ぜたBを入れて煮立て、ブロッコリーとねぎを加えて一煮し、倍量の水で溶いた水溶き片栗粉でとろみをつけ、ごま油を回し入れる。

ブロッコリーとソーセージの かき揚げ

\EPA、DHAも摂れバランスのいい揚げ物。/

【材料(2人分)】
ブロッコリー …… 100g
魚肉ソーセージ …… 1/2本
小麦粉 …… 1/4カップ
卵 …… 1/4個
冷水 …… 大さじ3
揚げ油 …… 適量

【作り方】
1.
ブロッコリーは小房に分けて小さめに切り、ソーセージは1cm厚さの輪切りにする。
2.卵を割りほぐして冷水を加えて混ぜ、小麦粉を加えて衣を作り、1を入れてさっくり混ぜる。
3.揚げ油を170度に熱し、2を食べやすい大きさにまとめて落とし、からりとするまで揚げる。

名取貴光

名取貴光 さん

食品成分研究者 医科学博士

山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

岩﨑啓子

岩﨑啓子 さん

管理栄養士 料理家

聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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