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簡単で体にいい。もちろん美味しい!意外と知らない魚の食べ方。

下処理がめんどう、調理法がマンネリなど敬遠しがちな人も多いのでは?
実は、魚料理はコツさえつかめば、時短で美味しく調理できる優秀食材。
最近は切り身やサクなど、手間なしで扱える魚も多数。
まずは、より新鮮な魚を見極める方法と、賢い買い方、保存の仕方などをプロに指南してもらいました。

イラストレーション・飯田 淳 文・石飛カノ

知っているようで知らない魚の栄養素とその効果。

魚は肉よりヘルシー。その根拠は? と問われて、パッと思いつくのは青魚に含まれている脂肪酸のDHAやEPAが血液をサラサラにしてくれるから、というもの。

でもそれだけではない。意外と知られていない魚の優れたメリットはまだまだある。教えてくれるのは管理栄養士の石川三知さん。

「オメガ3系と呼ばれる脂肪酸、EPAとDHAは血液をサラサラにするだけでなく、脳に働きかけて記憶力や判断力を維持する作用があります。また、肉の脂が炎症を促進するのに対して、魚の脂は炎症を抑えてくれます。感染症による炎症のリスクを下げることにも繋がります」

コロナ禍のこのご時世、サバ、アジ、イワシなどの青魚は積極的に食べたい食材のひとつというわけだ。もちろん、魚の健康効果は青魚だけに限らない。

「骨形成や腸の環境を整えるビタミンDはどんな魚にも含まれている栄養素。また、鉄分が豊富なマグロやカツオなどの赤身の魚には貧血改善の効果が期待できます。そして白身魚には大きなパワーを出す速筋という筋肉を増やす効果があることが分かってきています」

ローカロリーで筋肉が増えるとあれば、これから旬を迎える生ダラなどはまさに狙い目。青魚、赤身の魚、白身魚と目的をもって今晩の魚を選びたい。

魚をもっと日常的に! 常備に向く食材とは?

多くの健康効果が期待できる魚。調理するのは面倒という人は少なくないけれど、さっと使える切り身なら常備しておいて損はない。週に一度魚を食べる人と毎日食べる人では、後者のほうが断然、健やかさを保つことができるはず。

「鮭、サバ、タラなど簡単に利用できる魚は冷蔵庫に常備しておきましょう。鮭やサバなどは水煮缶を利用する手もありです。ちなみに、鮭は白身ですが、赤い色素成分のアスタキサンチンは強力な抗酸化物質でアンチエイジングにひと役買ってくれます」(石川さん)

魚だけではなく、その他の魚介類も常備アイテムとして大いに利用できるという。

「エビ、イカ、ホタテ、タラコなど冷凍してもあまり品質が落ちないものは冷凍庫へ。イカは安いときにまとめて買い、内臓だけ取って冷凍しておくと重宝します。タラコはひと腹ずつぴっちりラップで巻いて冷凍し、食べるときは冷蔵庫で解凍すれば手間いらずです」

目的の栄養素をカバーするには市販のツナサラダのように野菜に少量トッピングするのではなく、しっかり量を食べることが大事。魚介類もポーションが大きいものを選ぶこと。エビならば甘エビよりも車エビ、イカならばホタルイカよりスルメイカ。缶詰や冷凍ストックがあるだけで、魚介類を食べる頻度がぐっと上がる。

魚をスープで食べる、目からウロコのアイデア調理法。

タンパク質と野菜をバランスよく摂ろうとすると、魚より肉のほうが何かとお手軽。刺身ひと皿に副菜を2、3品加えて食卓が完成するのに対し、肉野菜炒めならひと皿で完結するからだ。

でもそれは、日本の豊かな海で育った魚が美味しいゆえの思い込み。刺身や塩焼きで食べるのが当たり前という発想を変えれば、魚はもっと身近なものに。

「たとえば、干したタラを使ったスープは韓国料理やポルトガル料理ではお馴染み。また、フランスではブイヤベース、イタリアではアクアパッツァなど世界各国の魚のスープのレシピはたくさんあります。これらを参考に、クセのない魚をトマト系やクリーム系、中華風などスープの味を変えて楽しんでみるのもおすすめです」

具だくさんの野菜とともにスープで煮込むだけなので、面倒な下処理からも解放されて調理も楽。しかも消化がいいのでカラダへの負担も少ない。少量の肉のメニューに魚のスープをプラスすれば、カラダに負担をかけずに充分なタンパク質をカバーできる。

「刺身が余ったら昆布や出汁パックのスープでしゃぶしゃぶにしたり、マグロにネギを加えてねぎま汁にするのもおすすめ。サバの水煮缶に片栗粉のつなぎや生姜を加えてボール状にし、スープに入れても美味しいですよ」

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