私たちは毎日鏡を見る。ああ、なんだか疲れているなあとか、今日は化粧のノリがよくないなあとか。鏡の中の自分の顔色を見ながら、自分を確認している。
「それと同じように、手を観ると今の自分がわかるんですよ」
と語るのは、手相観の日笠雅水さんだ。14歳の時に手相を観始めてから、日笠さんはこれまでにおよそ5万5千人の手を観てきたという。その数、東京ドーム1杯分といえばイメージが湧きやすいだろうか。
「手を観るというのは手相のことだけではありません。色ツヤや血色、ハリの具合、爪の状態。あるいは手指の姿勢にまでその人の今の状態が表れるんです」
手指に姿勢があるなんて! そんなことはこれまで考えたこともなかったけれど……。
「私はある国民的著名人をかれこれ30年くらいウォッチングしていますが、その時々のその方の気持ちは見事に手に表れていました」
人の心や体調が手でわかる。手相占いうんぬんを語る前に、そのちょっとした観方や考え方を、誰よりもたくさんの人の手を観てきたはずの日笠さんに教えてもらおう。