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年齢を重ねるほどに、 不便で危険になる収納とは?

  • 撮影・森山祐子 イラストレーション・安ケ平正哉

【押し入れ・天袋】大収納スペースの奥のものはすべて〝死蔵品〞に。

多くのものを入れられる大容量の収納スペースが押し入れ。「もともと、布団を〝押し入れる〞ためにあるものですから、布団を三つ折りにしたサイズ、80㎝ほどの奥行きに作られています。しかし、年齢とともに入れるのはいいけれど、出すのが億劫になってきます」最近ではベッドの生活になり、押し入れにいろいろなものを入れている人も多い。その際には奥に入れたものに手が届かず結局〝死蔵〞したようなかたちになりやすい。「布団を入れずに済む押し入れならば、クローゼットにするほうが活用しやすい。中段があるならばそれを取り払って、手前部分にハンガーパイプを取り付けて洋服をかけられるようにします。手が届きにくい奥には棚を作ってバッグや小物などを置けるようにします」押し入れの上などにある天袋は高所で奥行きが深い収納場所。「書画などを収める場所として重宝するところですが、取り出すのは押し入れ以上に大変です。将来にわたって、中に入れたものを取り出せるようにするならば、今のうちからキャスター付きのひもを付けた板の上に収納するものを載せておくようにします。力いらずで、中に入れたものを引き出すことができます」

【屋根裏収納】急なはしごは上り下りが危険になる。

「屋根裏収納は、正式には〝小屋裏収納〞と呼ばれ、天井と屋根の間の〝小屋組〞部分に作るものです。高さが140㎝以下なら床面積に入らないので、狭い一戸建ての場合は便利な収納空間になると重宝されます」多くの屋根裏収納の仕組みは天井に埋め込まれた簡易階段やはしごを使って上り下りする。「若いときなら、この階段でこまめに出し入れすることもできますが、年をとれば不便さが先立ちます。また、階段は幅が狭いうえに急なので、荷物を運ぶのは非常に危険ですし、屋根裏は充分な高さがないので、収納作業は常に中腰状態。体への負担も大きいのです」古い一戸建ての場合は屋根裏の荷重まで考慮せずにつくられていることも多く、蔵書などを入れていると天井が抜ける場合もあるという。「体力のあるうちに屋根裏の物は整理するか、今後も活用したいなら、手すりのついた本当の階段を設置する必要があります」

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#収納

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