くらし

家にいる際に注意したい菌やウイルスにはどんな種類がある? 専門家に聞く正しい知識。

なんとなく選んでしまいがちな菌やウイルスから身を守る商品。薬剤師ライターの高垣 育さんと富士フィルムメディカルシステムズの阿部洋史さんに正しい知識と最新情報を聞いた。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・寺田和代

Q.家にいる際に注意したい菌やウイルスにはどんな種類がある?

都健康安全研究センター調べ、年初36週〜42週。東京都内で今年8月以降に報告されたおもな感染症の患者数。昨年に比べて激減していることがわかる。(出典:都健康安全研究センター)

人為的に無菌にした空間以外、どんな環境にも菌やウイルスは存在する。家庭内も同様だ。

「家の中でとくに気をつけたいのは、食中毒などの原因になる黄色ブドウ球菌と大腸菌。外部から持ち込まないことを大前提にしてください。人はあらゆるところを無意識に触って生活しています。持ち込むと家族が何度も手を触れる場所からどんどん菌が広がってしまいます」(阿部さん)

家の清潔を考えると、黄色ブドウ球菌や大腸菌の除菌には、まな板や調理台、ふきんなど、おもに台所で使っている用品の消毒や、トイレでの便座周りの消毒などが欠かせない。

高垣さんは、外から家庭に持ち込まれやすいものとしてノロウイルス、インフルエンザに加え、水虫(白癬菌)をあげる。

「白癬菌に感染してしまった家族がいる場合は、共有しているものを分ける必要があります。タオル、バスマットなどは別々に使うようにしましょう」(高垣さん)

新型コロナウイルス対策に多くの人が心を砕く今年は、例年と比較して感染症患者が減っている(表参照)。

「薬剤師の実感として、10月頃にはインフルエンザの患者さんが来局を始めますが、今年はまだ来ていません。コロナの予防対策が他の感染症にも功を奏しているのかもしれません」(高垣さん)

高垣 育

お話を伺ったのは

高垣 育 さん (たかがき・いく)

薬剤師ライター

調剤薬局で薬剤師として勤務する傍ら、薬剤などの専門ライターとして活躍。国際中医専門員。http://pharmacistwriter.com/

阿部洋史

お話を伺ったのは

阿部洋史 さん (あべ・ひろふみ)

富士フイルムメディカルシステム事業部 事業開発グループ長

1992年、同社入社後は研究所、ドイツ駐在などを経て2016年から現職。医療現場や公共施設などでの感染蔓延予防活動に尽力。

『クロワッサン』1034号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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