人生後半に心機一転、というなら、住んでいる家やマンションそのものを替えるという選択肢も。
「その場合、将来売却することも念頭において選ぶことが大事です」
と、藤井さん。人気の家や部屋というと、日当たりが良い、広さがあるなどの条件が浮かぶが、
「今後、高齢者が増えていくことを考えると、広さより重要なのは最寄り駅からの距離。徒歩10分圏内が理想です。首都圏以外でも、行政はサービスの効率を高めるために“コンパクトシティ政策”を進めていて、地方都市にも中心部にアクセスが良くて環境面などの住み心地がよい物件が増えている。そうした地域を選ぶのも一案」
さらにコミュニティが充実していれば、なおよしという。
「高齢者の増加で福祉事業も限界に。そんな時代こそ住民の互助力があると安心です。結果として子育て世代も住みやすい町になる。自治体の窓口を訪ねれば、自治会などコミュニティの活動状況はある程度分かります」
そうした住まい探しはハードルが高いけれど、一度、違う場所で暮らしてみたい……という人には。
「別の住まいを持つ、二拠点生活という方法も。自分たちのリフレッシュになるだけでなく、高齢の親の保養先としても使えます。負担が気になるなら、友人と共同出資で持つという手もありますよ」