どう摂るとより効果的?「海藻」の栄養学。
健康によい食材も食べ方ひとつで効果は変わってくるもの。知っておきたい栄養の基本を押さえておきましょう。食物学専門の佐藤秀美さんに話を聞きました。
撮影・黒川ひろみ 文・井上健二
海の恵みを免疫力の向上や高血圧の予防などに役立てる。
ミネラルと水溶性食物繊維に期待。
海藻類に期待できる栄養成分は、ミネラルと水溶性食物繊維。
「海藻にはミネラルが豊富。ヒジキ、海苔、昆布、ワカメなどは鉄、ヒジキ、海苔、昆布、ワカメ、あおさなどはカルシウムを多く含みます」
鉄とカルシウムの吸収をよくするには、たんぱく質とビタミンCが必要。また、水溶性食物繊維には、血糖値や血圧の上昇を抑え、血中コレステロール値を下げる働きが。
「なかでも注目したいのは昆布、もずく、メカブなどのぬめりの元となる水溶性食物繊維のフコイダン。ヒトではまだ実証されていませんが、マウスを使った研究ではメカブ由来のフコイダンが免疫細胞を活性化し、がん細胞の増殖を抑えたことが報告されています」
味噌汁の塩分が気になる、 そんな時は具材に加えて。
血管を若々しく保つために、その負担を増やす高血圧は避けたいところ。塩分(ナトリウム)の過剰摂取で血圧は上がりやすく、和食はヘルシーだが塩分が多くなりがち。なかでも味噌汁は1杯1.5〜2.0g程度の塩分を含む。けれど、海藻を具材にすれば味噌汁からの塩分摂取は極端に気にしなくてもいいのでは、と佐藤さん。
「ワカメ、削り昆布、あおさ、海苔など、味噌汁と相性の良い海藻類にはカリウムが豊富。カリウムには過剰なナトリウムの尿中排泄を促す作用があるので、余分な塩分が体外に排出されやすいのです」
加えて海藻に含まれるアルギン酸などの水溶性食物繊維も、塩分の排出にひと役買うという。
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