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意外と知られていないスーパーフード、アカモクの健康効果と3つのおすすめレシピ。

食物繊維を摂るならミネラル、たんぱく質、不飽和脂肪酸が豊富な海藻がおすすめ。
海藻に詳しい宮下和夫さんにアカモクの健康効果を聞きました。
カノウユミコさんのレシピと一緒に紹介します。
  • 撮影・青木和義(カノウユミコさん、料理) 文・葛山あかね スタイリング・渡邊美穂(料理) 器協力・UTUWA TEL.03-6447-0070

フコキサンチンの含有量はダントツ。強力なねばねばは料理のとろみや素材のつなぎにも。

意外と知られていない、スーパーフード!

メジャーではないものの、昨今注目を集めるねばねば系の海藻だ。地域によってはギバサやナガモなどと呼ばれて、日常的に活用する場所もあるという。

「アカモクは非常に優秀。面白い海藻です」と宮下和夫さん。

「何と言ってもフコキサンチンの含有量が海藻類のなかでもダントツに多いんです。季節によって異なりますが、たとえば乾燥重量1g(ウェットなら10g程度)に4mgのフコキサンチンが含まれています。ヒト試験によると1日あたり2㎎程度のフコキサンチン摂取で抗肥満や血糖値抑制効果が得られることが明らかに」

そんなアカモクを料理に使うポイントは? 

「ねばねば系の海藻のなかでも、アカモクはとくに粘り気が強く、香りに少しクセがあるのが特長です」とカノウユミコさん。

「市販されているものは、細かくカットされていることがほとんどなので、もずくやめかぶのように使うというより、何かに混ぜ込むといいかもしれません」

たとえばポテトコロッケや餃子に混ぜてもよし、粉物との相性もいいという。クッキーやパンを作るときに加えれば、強力なねばねばがつなぎ役になってくれるとか。

またドレッシングやたれ、つゆに加えればとろみのあるおいしさを楽しめる。

約4mもの長さにまで成長する天然の海藻。市販品は加熱処理済みで、食べやすいよう細かくカットされている。ねばねばとした生タイプと、干した乾燥タイプがある。

(おかず)アカモク餃子

きのことアカモクを具材にしたヘルシー餃子。椎茸の旨味とネットリとしたアカモクがよく絡み合う。挽き肉を加えなくても食べ応え十分、ボリューム満点の美味しさに。ちなみに、水っぽくならないよう麩を忍ばせてあるのがカノウさん流。

【材料(2人分)】
A アカモク(味なし)……1/2カップ
  しいたけ(みじん切り)…… 6枚
  長ネギ(みじん切り)…… 10cm分
  生姜(すりおろし)…… 小さじ1/2
  おつゆ麩(細かく砕く)…… 1/4カップ
  小麦粉 …… 大さじ2
  醤油、塩、胡椒 …… 各少々
  ごま油 …… 小さじ1

餃子の皮 …… 20枚
ごま油(焼き用)…… 適量
酢、醤油、ラー油 …… 各適量

【作り方】
1.
Aを混ぜ合わせ、餃子の皮にのせて包む。
2.フライパンにごま油を熱し、1を入れる。底に少し焼き色がついたら水3/4カップ(分量外)を注いでふたをし、水気がなくなるまで焼く。
3.器に盛り、醤油、酢、ラー油を混ぜたたれを添える。

(常備菜)アカモクのチヂミ

アカモク独特のねばねばが、生地のつなぎ役に。
カリッとした食感の中にアカモクの風味が広がります。

【材料(作りやすい分量)】
アカモク(味なし) …… 60g
ニラ(2㎝の長さに切る)…… 1/4束

A 薄力粉 …… 大さじ4
  上新粉 …… 大さじ3
  昆布だし …… 1/2カップ
  ごま油 …… 小さじ1
  塩 …… 少々

ごま油 …… 適量

たれ
 醤油 …… 大さじ1
 酢 …… 小さじ2
 コチュジャン …… 小さじ1

【作り方】
1.
ボウルにアカモクとニラを入れ、Aを加えて混ぜ合わせる。
2.フライパンにごま油を多めに熱し、1を流し入れて両面こんがり焼く。
3.適当な大きさに切り分け、たれを添える。

※昆布だしは市販の昆布の顆粒だしを水に溶いて手軽に

(麺)アカモクだれ蕎麦サラダ

ドレッシングにアカモクを加えることでトロリとねばりのある質感になる!
これが野菜や蕎麦に絡みつき、一体感のあるおいしさに。

【材料(2人分)】
アカモク(味なし)…… 50g
青じそドレッシングまたは和風ドレッシング …… 大さじ3(加減する)
水菜(3cm長さに切る)…… 25g
カイワレ大根(3cm長さに切る)…… 1/2パック(25g)
蕎麦(乾麺)…… 80g

【作り方】
1.
アカモクとドレッシングを混ぜ合わせる。
2.蕎麦はたっぷりの熱湯に入れ、表示通りゆで、ザルにとって冷水で洗い、水気をきる。
3.水菜とカイワレ大根と2を混ぜ合わせ、1のドレッシングを添え、食べる直前に混ぜ合わせる。

宮下和夫

宮下和夫 さん (みやした・かずお)

帯広畜産大学 産学連携センター 特任教授

アカモク研究の第一人者。海藻に含まれる色素成分・フコキサンチンの効果・効能を解明したことは世界的に有名。好きな海藻料理は生の岩海苔を豆腐と煮込み、醤油で味つけした鍋。※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

カノウユミコ

カノウユミコ さん

料理研究家

鳥取県出身。海の近くの町で育ち、幼少期から海藻は常に身近な存在。精進料理やベジタリアンに興味を持ち始めてからは、海藻の実力に改めて着目。変化に富んだ多彩な料理を提案してくれる。※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 強い腸をつくる、発酵食の摂り方大百科。』(2021年2月18日発行)より。

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