くらし

名居酒屋に精通する太田和彦さんに教わる、とっておきの6軒は?

  • 撮影・谷 尚樹、日置武晴 文・池田祐美子

【神泉】松濤(しょうとう)はろう

お造り4点盛り。写真は、金目鯛煎り酒、メジ鮪のネギ醤油、ヤリ烏賊の黄身酢、小肌酢じめ。2,200円。
甕蒸し牛すじ400円。小ぶりの甕に入れて蒸して仕上げ、甕のまま出す。
お燗は女将さんの担当。ふっくらと握るシメの塩むすびもファン多数。

京都のカウンター割烹風の凜とした佇まい。

「主役はあくまでも日本酒です」と、主人。お酒をひきたてるつまみは、ヤリ烏賊のお造りに黄身酢を合わせるなど、丁寧な仕事ぶりがうかがえるもの。白割烹着姿の女将がつける燗酒を合わせ、ゆるゆると杯を進めるのがいい。ちなみに飲酒しない人は入店不可。

●「京都の小料理屋風の品のある雰囲気がいい。秋田美人の女将が迎えてくれます。女性一人でも入りやすい」

京都・東福寺の庭にインスパイアされた、市松模様のタイルが目をひく。

●東京都渋谷区松濤2-14-12 シャンボール松濤101 TEL:03-6887-2841 営業時間:17時〜24時 不定休 飲んで食べて平均4,000〜5,000円が目安。

【大岡山】樋川(ひかわ)

お浸し和え物4点780円。手前から時計回りに、早春キャベツ、小松菜、菜の花、オレンジ白菜。春は山菜を使う。
お刺身盛り合わせ1人前1,000円〜。写真は2人前。真鯛、〆鯖など。
4、5月は山菜が楽しみ。主人自らも福島の山へ山菜摘みに出向くそう。

野菜のお浸しと刺身で、旬を堪能する。

のんびりとした商店街からそれた住宅街に店はある。数ある品書きから、まずは、お浸し和え物を。毎週、三浦の農家に出向いて仕入れる野菜のイキのよさと出汁の味わいは、食べるそばから体が潤うよう。春は山菜も加わる。音と香りがそそる、アジの唐揚げも秀逸。

●「住宅地にあって店も客も落ち着いていますね。黙々と料理をするご主人と、すらりとした美人女将のコンビがいい」

カウンター8席とテーブル3卓。この4月から日曜に昼営業(昼酒!)も。

●東京都大田区北千束1-54-10 TEL:03-3718-8760 営業時間:17時30分〜22時LO、土曜・祝日17時〜21時30分LO 日曜・月曜休

【四谷三丁目】タキギヤ

蕗と揚げ煮350円。福岡の旭菊「綾花」のぬる燗が店主のおすすめ。正一合950円。
ウドのキンピラ350円。
里芋煮350円。
てきぱきと無駄のない動きの店主。「堅苦しさ抜きで日本酒を味わってください」

古典酒場の風情を醸す“日本酒の店”。

お通しは、ひと口サイズのお出汁と季節の一品とは気がきいている。おなかを温めてから、いざ飲みモードに。「扱うのは純米酒のみ。添加物のない日本酒のうまさを味わってほしい」と店主。酢じめ、きんぴら、ぬたなど、きっちりと手をかけた味わいの肴が酒を誘う。

●「どの席に座っても店主から見え、こちらも店主を見られる間取りがいい。開店7年目にしてすでに老舗の風格がある」

大皿が並ぶカウンター7席と小上がり12席。予約は20時スタートまで可。

●東京都新宿区荒木町7 安藤ビル1F TEL:03-3351-1776 営業時間:17時〜23時(22時最終入店、22時20分LO) 日曜、祝日休

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