くらし

心に潜む“感情”を生涯描き続けた画家ムンクの人生とは?

  • 文・上條桂子 撮影協力・ノルウェー大使館

ムンクの生涯年表

《太陽》 1910-13年 油彩、カンヴァス 163×205.5cm
《生命のダンス》 1925年 油彩、カンヴァス 143×208cm
《月明かり、浜辺の接吻》 1914年 油彩、カンヴァス 77×100.5cm

1863年 0歳●12月12日、ノルウェーにて、軍医クリスチャン・ムンクと妻ラウラ・カトリーネ・ビョルスタの第2子・長男として誕生。

1864年 1歳●クリスチャニア(現・オスロ)に転居。

1868年 5歳●母が結核で死去。

1877年 14歳●姉ソフィエが結核で死去。

1880年 17歳●クリスチャニアの画学校入学。

1882年 19歳●画学生6人と国会広場にアトリエを借りる。

1883年 20歳●クリスチャニアの産業美術展にて作品を初出品。

1884年 21歳●作家ハンス・イェーゲルを中心とする急進的なボヘミアン運動のグループと交流。

1889年 26歳●クリスチャニアにて初個展。パリに留学し、レオン・ボナの画塾に通う。父が死去。

1892年 29歳●ベルリン芸術家協会の招きで開かれた個展が1週間で打ち切られる(のちにベルリン分離派の誕生につながる「ムンク事件」)。

1893年 30歳●ベルリンにて劇作家アウグスト・ストリンドベリらボヘミアンたちと交流。「生命のフリーズ」の中核をなすこととなる《叫び》《吸血鬼》《マドンナ》などの代表作を発表。

1894年 31歳●ベルリンで初のエッチングを手掛ける。

1895年 32歳●弟アンドレアスが死去。

1896年 33歳●パリで初の多色刷りリトグラフ、木版を手掛ける。

1898年 35歳●オースゴールストランに小屋を購入。

1902年 39歳●ベルリン分離派展に出品。コダック・カメラを購入。トゥラ・ラーセンとの破局で銃の暴発事件が起こり、左手中指の一部を失う。

1908年 45歳●神経症により、コペンハーゲンのダニエル・ヤコブソン博士の医院に8カ月入院。聖オラヴ勲章騎士章を授与される。

1909年 46歳●クリスチャニアでの個展成功や国立美術館による作品5点購入など、祖国での評価を確かなものとする。長い放浪生活を終えノルウェーに帰国。クリスチャニア大学講堂の壁画コンペに取り組む。

1916年 53歳●大学壁画完成。クリスチャニア郊外のエーケリーに家を購入。晩年のほとんどの時間を過ごす。

1918年 55歳●クリスチャニアの個展に合わせて小冊子『生命のフリーズ』を出版。

1922年 59歳●フレイア・チョコレート工場の社員食堂の壁画完成。

1926年 63歳●妹ラウラが死去。

1927年 64歳●ベルリンとオスロで大回顧展が開催される。

1930年 67歳●眼病を患う。写真でセルフポートレートのシリーズを制作。

1933年 70歳●聖オラヴ勲章大十字章を授与される。ムンクの伝記が2冊出版される。

1937年 74歳●ドイツにて、ムンクの作品82点が頽廃芸術として押収される。ノルウェーの国立美術館にムンクのための展示室がオープン。

1940年 77歳●ナチスがノルウェー占領。全作品をオスロ市に遺贈する遺言状を作成。

1944年 80歳●1月23日、エーケリーの自宅にて死去。

作品はすべてオスロ市立ムンク美術館所蔵 All Photographs ©Munchmuseet

ムンク展 — 共鳴する魂の叫び
2018年10月27日〜2019年1月20日
9時30分〜17時30分(金曜、11月1日・3日は〜20時)※入室は閉室の30分前まで
月曜(11月26日、12月10日・24日、1月14日は開室)、12月25日・31日、1月1日・15日休
料金・1,600円(一般当日券)ほか
東京都美術館 企画展示室 東京都台東区上野公園8-36
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) https://munch2018.jp

『クロワッサン』983号より

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