『マリメッコ展 模様のちから』東京都庭園美術館──マリメッコのプリントの秘密に迫る
青野尚子のアート散歩。今回は、マリメッコがこれまで生み出してきた3,500種以上のプリントを軸に、マリメッコとその設立者アルミ・アイラクシネンが大切にしてきた自由で前向きな精神を見せる展覧会。みどころの一つは大胆な色彩や模様を活かした、初期から現代までの60点以上のドレスだ。手仕事のぬくもりと色が響き合うマリメッコの魅力に迫る。
文・青野尚子
「責任はただ一つ──美である。/現実はただ一つ──夢である。/ただ一つの力──愛。」。今から100年前、当時わずか14歳だったアルミ・アイラクシネンはこう記した。彼女は後にヴィリヨ・ラティアと結婚し、1951年にマリメッコを設立する。フィンランドでアルミは、生活を豊かにするデザインをめざして起業した。まだ女性の起業は珍しかったころだ。
展覧会はマリメッコがこれまで生み出してきた3,500種以上のプリントを軸に、アルミやマリメッコが大切にしてきた自由で前向きな精神を見せるもの。
みどころの一つは大胆な色彩や模様を活かした、初期から現代までの60点以上のドレスだ。アルミは流行に左右されない、タイムレスな魅力の服をめざしていた。別のセクションではそのプリントが作り出されるヘルシンキのファクトリーの様子も知ることができる。アート・ユニット、plaplaxが現地を取材、プリントが製造されるプロセスや、色と形のダイナミズムを映像作品で楽しめる。
会場ではマリメッコで働いていた脇阪克二や石本藤雄ら日本人デザイナーについての資料や、フィンランドのデザインに魅せられてきたデザイナーの皆川明がマリメッコと対話を重ねて作り出したインスタレーションも並ぶ。
アルミは女性を固苦しい服から解放し、のびのびと動くことができる服をめざしていた。手仕事のぬくもりと色が響き合うマリメッコの魅力に迫る。
『マリメッコ展 模様のちから』
10月3日(土)~12月20日(日) 東京都庭園美術館
会場はアール・デコのデザインで知られる建物。マリメッコのプリントとの取り合わせも楽しみだ。
東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9) TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) 10時~18時(11月6日、13日、20日、21日、27日、28日、12月4日、5日は~20時) 月曜休(10月12日、11月23日は開館、翌火曜休) 観覧料一般1,400円ほか
『クロワッサン』1174号より
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