心地よい風が吹く森と地元産食材の美食に癒される、淡路島のオーベルジュでご褒美ステイ
写真・文 斎藤理子
ゆったりとした滞在と美食三昧という夢のような時間が過ごせる「オーベルジュ フレンチの森」。海の幸、山の幸に恵まれた淡路島の食材が、シェフの手によってフレンチ仕立ての更なる美味に生まれ変わります。秋に行くなら、淡路島の秋がぎゅっと詰まった「秋の旬彩と実りの饗宴コース」は必食です。
1階で食事を楽しんだあとは、2階の自室で翌朝までゆっくり過ごせるのはオーベルジュならでは。心地よい滞在と美食の魅力をご紹介します。
「オーベルジュ フレンチの森」は、明石海峡大橋からほど近い、淡路島北部の森の中にあります。フランスの田舎にある古き良き邸宅をそのまま移築したかのような建物3棟からなり、そのまわりを色とりどりの植物やハーブが200種類以上植えられた庭が囲んでいます。3棟の建物にはそれぞれ名前があり、1階はレストランや宿泊客専用ラウンジ、2階が宿泊客室になっています。
向かって右端の建物は、「Prince Etoile(プランス・エトワール)」。宿泊客専用の「ボタニカルラウンジ」があり、チェックインからチェックアウトまで、自由にワイン、コーヒー、紅茶、ハーブティーなどの飲み物、自家製ハーブクッキーやナッツなどのおつまみを楽しめます。庭で採れるハーブを乾燥させたものでサシェを作ったり、グラスアートを楽しんだりといったアクティビティも体験できます。朝食は、森に囲まれた広々としたこちらのテラス席で供されます。
中央の建物は「アンサンブルの館」。フレンチをベースにイタリアンのアクセントを加えた料理が楽しめるレストラン「Grand Baobab(グランド・バオバブ)」があります。淡路島の秋の食材がふんだんに使われた「秋の旬彩と実りの饗宴コース」が楽しめるのはこちら。尾﨑真悟シェフの豊かな感性と淡路島の滋味深い食材とが出会った素晴らしい料理の数々は、ここまで来て食べる価値がある逸品です。
広い店内にグランドピアノがあるこの「アンサンブルの館」では、料理とともに音楽家による生演奏も楽しめます。目の前で奏でられる美しいクラシックの音色とともに美味しい料理を堪能できる、素敵な時間がそこにあります。
左端の建物は「ガストロノミーの館」。正統派フレンチレストランの「La Rose(ラ・ローズ)」があります。フランスの三つ星レストランで研鑽を重ねた村上遼太郎シェフの、淡路島の食材を使ったオーセンティックなフランス料理は、特別な日にふさわしいガストロノミーです。
チェックインを済ませ荷物を部屋に置いたら、「ボタニカルラウンジ」でリラックス。オールインクルーシブなので、好きな飲み物や軽食やスイーツを好きなだけ楽しめるのが最高です。天気が良ければテラス席に出て、飲み物を片手に澄み切った森の空気を深呼吸しましょう。
客室は、ツインタイプのスタンダードツインルームと、ジュニアスイートタイプのデラックスルームの2種類。どの部屋も、フランスのカントリーハウスを思わせる、素朴だけど温かみのあるつくりになっています。全部屋違う壁紙だったり、カトラリーやカップ類も部屋によって違ったりと、ディテールにもこだわりが。どの部屋にも天窓があり、天気が良ければ淡路島の降るような星空を眺めながら、ゆったりと過ごすことができます。
全体がフレンチスタイルで統一されている中で、お風呂には全室、ひのきの浴槽が使われています。これはどこか少しだけ日本テイストを取り入れたいとの思いからで、1日の終わりや始まりに、ひのきの香りに包まれながらのゆっくりとしたバスタイムが楽しめます。
お待ちかねのディナーで味わうのは、尾﨑真悟シェフ渾身の「淡路島 秋の旬彩と実りの饗宴コース」。まずはテラス席で乾杯。ドリンクはもちろんシャンパーニュ一択です。一緒に出されるグジェールを食べながらシャンパーニュを飲み干したら、「Grand Baobab」の席へ。“淡路牛とりんごのテリーヌ”から始まる、8品フルコースのスタートです。
「淡路島の食材は、魚も野菜も果物も味が濃くて力強いんです。淡路牛やジビエも美味しい。しかも産地がすぐそこだから取りたてがキッチンに来ます。料理人としては、こんな素晴らしい条件が揃った場所はそうそうありません」と、尾﨑真悟シェフ。生産者を訪ね、食材への理解を深めるにつれ、シェフの料理はより深みを増していきます。
たとえば、“秋茸と栗のモンブラン仕立て”。秋の茸とエシャロットをじっくり炒めてペースト状に仕上げたソースを敷き、濃厚な味わいが特徴の淡路島のブランド玉子“北坂たまご”のポーチドエッグの上に、栗と淡路島産玉ねぎを炊き上げてなめらかなピュレにしたクリームを、モンブランのように絞り出して、最後にトリュフをたっぷりとのせた一皿です。一見シンプルに見えますが、栗と茸と卵の味わいの見事なバランスや、温かいソースを冷たいデザートのモンブランのように美しく絞り出す難しさをクリアした技術の高さが伝わる、秋が凝縮した素晴らしい料理です。
メインの肉料理は、淡路島産の鹿の柔らかさとクセのなさに驚く“南あわじ産鹿肉の薪火焼き 無花果とマルサラ”。そろそろお腹がいっぱいな状態でも、さらりと美味しく食べられてしまいます。鹿肉自体の美味しさもさることながら、薪火での絶妙な火入れの上手さ、エシャロットとマルサラ酒を煮詰めてフォンドボーを加え、仕上げにシェリーヴィネガーを足して酸味を加えたソースの美味さに感動を覚えます。
他の料理の詳細は写真キャプションにありますが、どれもが素材を知り尽くした尾﨑シェフの豊かな感性が伝わる料理ばかり。これを食べるために旅をする価値がある、ディスティネーション・レストランの1軒だと言えます。
美味しいディナーを堪能したら、どこかに帰る必要もなくそのまま2階の部屋に戻ってゆっくりとくつろげるのがオーベルジュの醍醐味。ゆっくりお風呂に入ったり、のんびり星を眺めたり、好きな本を読んだり。少しの時間スマホを手放して、静かにふけていく夜を楽しみましょう。
そして、楽しみは翌朝にも。「ボタニカルラウンジ」のテラス席での朝食です。朝の爽やかな空気を吸いながらいただく朝食は、コース仕立て。美しいアミューズから、選べるメインまで、淡路島の食材を堪能し尽くす地産地消の朝食です。新鮮な地元野菜をたっぷりと使ったサラダや、茸と北坂たまごのポーチドエッグがのったガレットなど、そのクオリティの高さに、朝から大満足です。
淡路島の素晴らしい秋の味覚とくつろぎの時間を堪能できる「オーベルジュ フレンチの森」。この秋の旅先にぜひ加えたいオーベルジュです。
オーベルジュ フレンチの森
兵庫県淡路市楠本字場中2593-8
0799-70-9060
1泊6万9200円〜(2名分1泊2食、税サ込み、オールインクルーシブ)
チェックイン16時〜、チェックアウト10時30分
全9室
https://frenchnomori.jp/
レストラン「Grand Baobab」
水曜日定休
ランチ5,500円〜、ディナー1万円〜(共に税込・サ別)
※「秋の旬彩と実りの饗宴コース」
提供は11月30日(月)まで
ランチ:1万3200円、11:30〜15:30(13:00最終入店)
ディナー:1万8700円、17:30〜21:30(19:00最終入店)
レストラン「La Rose」
火曜日定休
ランチ6,000円〜、ディナー1万5000円〜(共に税込・サ別)
広告