『ハウスメイド3 ―最後の秘密―』フリーダ・マクファデン 著──不穏な隣人関係の行方。人気スリラーの最終作
文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。
文・瀧井朝世
とある事情で前科持ちとなり、出所後は職探しに苦労しているミリー。幸運にも裕福な家庭の住み込みのハウスメイドの職を見つけるが、実はそれは、悪夢の始まりだった――という内容の第1弾から始まるシリーズの完結編。
今説明した内容を把握していれば、本作から読み始めても問題ないと思う。結婚し、ハウスメイドの職を辞めてソーシャルワーカーとして働くミリーは、夫のエンツォと2人の子どもと郊外の一軒家に引っ越す。だが、隣人たちの癖がありすぎる。一組は四六時中窓から近所を見張っている陰湿なジャニスと息子、もう一組はなにかとマウントをとってくるスゼットとその夫。新居では夜中に奇妙なひっかき音が聞こえ、さらにエンツォの行動が怪しい。
前半は全貌の分からない不穏な出来事の連続で、こちらのストレスも溜まってくる。「はやく事件起きないかな」と不謹慎なことを思ってしまったが、それだけ感情移入していた、ともいえる。そして殺人事件が起きてからはもう、怒涛の展開だった。
読み終えて、大切な人をどこまで信じることができるか、という話だったな、と思った。しかしご近所さんガチャ、恐ろしいわ。
『クロワッサン』1173号より
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