【この秋行きたい、山口・大人旅】歴史と文化を訪ねて、萩から岩国へ
文・長谷川未緒
静かな境内に石灯籠が連なる、毛利家ゆかりの東光寺
前日の宿「源泉の宿 萩本陣」を出て、まず訪れたのは萩市にある東光寺。萩藩三代藩主・毛利吉就公によって創建された黄檗宗の寺院で、毛利家3代から11代まで、奇数代の藩主と夫人などが眠ります。墓所内には約500基もの石灯籠がずらりと奥まで続き、壮観です。境内には明治時代に台湾で教育に携わった楫取道明(かとりみちあき)の遺骨碑も。台湾では「六氏先生」のひとりとして知られ、今も台湾からお参りに訪れる人がいるそうです。
幕末の志士を育てた、吉田松陰の足跡を辿る
続いて訪れたのは、吉田松陰を祀る松陰神社です。海に面した長州藩では、外国船の脅威に備える海防が大きな課題でした。兵学者だった松陰も、早くから海外に目を向け、黒船への密航まで試みます。やがて幕府を批判したことで捕らえられ、29歳の若さで処刑されました。もし松陰がもう少し長く生きていたら……。小さく簡素な松下村塾を前に、そんなことも考えさせられました。
美しいアーチを支える、錦帯橋の職人技
萩から岩国へ移動し、錦帯橋へ。五連のアーチを描く優美な姿で知られますが、橋の下に回って見上げると、幾重にも木材を組み上げた複雑な構造が目に入ります。錦帯橋は、架け替えを重ねながら、その姿と技術を受け継いできました。橋を渡りながらよく見ると、ところどころに補修の跡も。美しいアーチの裏側には、絶えず手を入れながら橋を守り続ける職人たちの仕事がありました。
この秋、注目。宇野千代が生まれ育った家へ
旅の締めくくりは、錦帯橋からほど近い宇野千代の生家へ。1897(明治30)年、この家に生まれた宇野千代は、小説や随筆を発表する一方、ファッション誌『スタイル』を創刊し、編集や着物のデザインも手がけるなど、多彩に活躍。波乱に富んだ人生を送り、1996年に98歳で亡くなるまで、精力的に活動しました。朽ちかけていた生家は宇野千代自らにより、1974(昭和49)年に復元修理。昔のままの五右衛門風呂などが残る家もさることながら、印象的なのが庭です。約70本のモミジが植えられ、地面は深い緑の杉苔に覆われています。80歳のときには淡墨桜を植えるなど、晩年まで手を入れ続けました。
長い歴史を伝える建物から、今も受け継がれる職人の技まで、さまざまな表情に出合った山口の旅。この秋、山口デスティネーションキャンペーンでは、期間限定の特別な体験やお得な企画も用意されています。この機会に、山口へ出かけてみませんか。
山口デスティネーションキャンペーン
JRグループと山口県、地域の観光事業者などが連携して行う大型観光キャンペーン。2026年10月1日〜12月31日、山口県全域で開催され、期間限定の特別企画やイベント、観光列車など、山口の自然や歴史、文化、食を楽しむ多彩な企画が展開されます。
黄檗宗 護国山 東光寺
場所:萩市椿東1647
拝観時間:8:30〜17:00
休み:無休
電話番号:0838-26-1052
https://www.toukouji.net/
松陰神社
場所:萩市椿東1537
拝観時間:境内自由(夜間、松下村塾は戸締りする)
電話番号:0838-22-4643
https://showin-jinja.or.jp/
錦帯橋
場所:岩国市岩国1丁目2
営業時間:24時間入橋可能(大人個人往復500円)
問い合わせ先:岩国市錦帯橋課
電話番号:0827-29-5107
https://yamaguchi-tourism.jp/feature/kintaikyo
宇野千代生家
場所:岩国市川西2-9-35
問い合わせ先:NPO法人宇野千代生家
電話番号:0827-43-1693
開館時間:10:00〜16:00
休館日:火曜日、お盆、年末年始
https://www.unochiyoseika.jp/
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