趙楊さんの麻婆豆腐──松田美智子の「くらしの歳時記」
古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「麻婆豆腐」。
撮影・鍋島徳恭
豆腐を丸ごと茹でて使う、四川の麻婆豆腐の作り方をご紹介します
銀座すずらん通りの交詢ビルにあった『趙楊』というお店を覚えていらっしゃる方は、おいでになるでしょうか? 20年ぐらい前の事です。シェフの趙楊さんは、数えるほどしかいない中国特級厨師の称号を持ち、本当の四川の味を広めてくれた方でした。8,000のレシピがいつも頭の中にある料理人。そのお人柄は、とても首相や国賓に料理を提供する方とは思えない、気の良い中国人のおじさんという印象でした。何回かお夕飯に伺ううちに親しくさせていただき、私のスタジオで生徒の方々に、家庭でもできる四川料理を教えていただいたこともありました。その授業を一番受けたかったのは私で、四川料理の調理科学はとても興味深く、今も教わった麻婆豆腐を作り続けています。麻婆豆腐は、考案者とされる陳劉氏の特徴から、「あばた(麻)顔のおばあさん(婆)の豆腐料理」というのが名前の由来だそうです。豆腐を丸ごと茹でて使うのが、本場の味に近づけるコツです。
豚肉ではなく、牛肉で作ります
麻婆豆腐の作り方(2人分):牛肉の切り落とし300gを細かく刻み、にんにく、生姜のみじん切り各大さじ1をごま油大さじ1と炒める。葱1/2本分のみじん切りを加え、三温糖小さじ1、赤唐辛子粉小さじ1/2、豆板醤大さじ1、赤味噌大さじ1、花山椒小さじ1を炒め、酒大さじ3と、別鍋で木綿豆腐1丁を茹でた汁1.5カップを加えて煮る。醤油大さじ2で味を調え、水溶き片栗粉で軽いとろみをつけたら、豆腐をすくい入れてさっと煮る。花山椒適量をさらに振り、斜め薄切りにしたにんにくの茎を加えてさっと火を通す。揚げた茄子と合わせた麻婆茄子も美味。
『クロワッサン』1172号より
広告