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【全国のかご】カゴアミドリ店主に教わる、風土を映すかごの話

素材や形などに、風土や人々の暮らしが表れている「かご」。日本・世界のかごを広く扱う、かご専門店「カゴアミドリ」店主の伊藤征一郎さんに、様々な土地のかごの特徴について教えてもらいました。

撮影・中島慶子 文・秋山香織

※かごはすべて一点もののため、形・サイズ・金額は目安としてお考えください。
【全国のかご】カゴアミドリ店主に教わる、風土を映すかごの話

右上 エリア 青森/材料 根曲竹(笹)
【りんごかご】
津軽地方を代表する手仕事のひとつ。入れたものへのあたりが優しくしなやかで、通気性に富む。豪雪地帯に育つ根曲竹(チシマザサ)を使用。H33×W36×D27cm 1万1000円。

右下 エリア 秋田/材料 くるみ、ヤマブドウ
【市松編みのかご】
風合い豊かなくるみの樹皮を帯状に割き、交互に重ねて編んだもの。持ち手と縁巻き部分には、強靭なヤマブドウを組み合わせている。H48×W37×D16cm 11万2200円。

左上 エリア 秋田/材料 あけび
【こだし編みのかご】
山菜・きのこ採りに使った背負いかご「こだし」をルーツにもつ手提げかご。2本のツルを等間隔で交差させる編み方で、軽さと強度を実現。H26×W26×D16cm 2万9700円。

左下 エリア 宮城/材料 篠竹(笹)、桜樹皮、藤
【肥料ふりかご】
畑の肥料撒きや収穫に使われた農作業のかご。細く割いた篠竹の間に、桜樹皮と藤の繊維を挟み込み、穀物が落ちないようすき間なく編まれている。H14×W26×D24cm 1万4300円。

旅先の土産物屋で見かけることも多い、かご。実は、素材や形などに、その土地の風土や人々の暮らしが色濃く表れていることをご存じだろうか。

「かごの種類は、主に気候と植物分布によって分かれます」と教えてくれたのは、かご専門店『カゴアミドリ』店主の伊藤征一郎さん。

「6つの気候帯がある日本は、素材となる植物の宝庫です。生息域が広い竹は、太平洋側・日本海側の気候区分にまたがり、関東より南の本州・九州全域にまで分布。寒冷な東北地方や山岳部では、山に入って見つけたあけびやヤマブドウ、くるみなどの樹皮やツルが、南西諸島ではアダンや月桃などの亜熱帯植物が用いられます」

北海道、日本海側の豪雪地帯特有の素材も。「雪の重みに耐える笹(根曲竹)や、それすら生えない土地では、カエデやナラなどの木やシナノキなどの樹皮繊維が使われてきた」という。

【全国のかご】カゴアミドリ店主に教わる、風土を映すかごの話

右上 エリア 長野/材料 ヤマブドウ
【あじろ編みのかご】
ヤマブドウの樹皮を採取できるのは、梅雨時のわずかな期間のみ。弾力性と耐久性を兼ね備えた繊維を使用したかごは一生ものといわれる。H26×W28×D16cm 9万3500円。

右下 エリア 滋賀/材料 イタヤカエデ
【小原かご】
県北部の豪雪地帯「小原村」で受け継がれてきた「木かご」。年輪に沿って剥いだ材料は軽くてしなやか。経年により白い肌があめ色に変化する。H40×W35×D22cm 3万8500円。

左上 エリア 岡山/材料 ヒメガマ
【ガマ細工の手提げ】
蒜山高原の湿地帯に育ち、背負いかごや雪靴などに用いられ、雪国の生活を支えてきたヒメガマ。防水性と弾力性に富んだ手提げかごにも。H45×W32×D16cm 2万7500円。

左下 エリア 岡山/材料 いぐさ
【いかご】
闇市での買い物用の「闇かご」として普及。専用の織り機で面を作り、手作業で立体に編み上げる。現在、製造は工房「須浪亨商店」の1カ所のみ。H48×W36×D13cm 1万5400円。

作られるかごの用途や目的は、地域の暮らしと密接に関わっている。

「農村部では、冬の農閑期に生活道具としてのかごを自分で作る風習がありました。一方、都市部や港町では、代々続く竹細工店など、専業の職人たちによって技術が受け継がれてきました」

旅から持ち帰ったかごを暮らしに取り入れることで、その土地の自然と風土を身近に感じることができる。末長く暮らしを共にしたいものだ。

「経年変化も魅力のひとつ。もし壊れたとしても、産地や作り手の情報がわかれば修理の相談も可能です。購入は、10年先を見据えて相談できるお店だと安心。旅先なら、地元の民藝館や専門店、セレクトショップがおすすめです」

【全国のかご】カゴアミドリ店主に教わる、風土を映すかごの話

右 エリア 大分/材料 真竹(白竹)
【寄せ編みの手提げ】
竹ひごを1本ずつ丁寧に加工し、幅と厚み、節の位置をそろえ、角は火であぶり直角に。日本一竹細工が盛んな別府の若手職人によるもの。H26×W22×D11cm 2万4750円。

左 エリア 沖縄/材料 月桃
【アンツク】
農作業や海の仕事に欠かせない伝統的な民具。弁当の持ち運びや、海藻やイイダコ採りにも使用。月桃の縄をより合わせ、型をつかって編み込む。H20×W20×D7cm 2万3100円。

カゴアミドリ店主おすすめの全国のかご販売店

◆カゴアミドリ
日本・世界のかごを広く扱う、かご専門店。自然に寄り添う各地の文化やかごのある暮らしを紹介している。2010年に東京・国立で開店、2025年、長野・松本に2号店をオープン(現在、国立店は閉店)。
長野県松本市大手1-3-28 神山ビル2F  TEL:0263-50-4475

伊藤征一郎(いとう・せいいちろう)さん カゴアミドリ店主。環境問題に関心を持ち、夫婦で『カゴアミドリ』を開店。各地に赴いて生産者と交流し、知見を広げている。

◆jokogumo
東京都新宿区神楽坂6-22 TEL:03-5228-3997

◆別府市竹細工伝統産業会館
大分県別府市東荘園8-2-13 TEL:0977-23-1072

◆SPICA
大分県別府市立田町1-34 TEL:090-9476-0656

◆THE STABLES
青森県弘前市代官町14-2 mail:info@thestables.jp

◆光原社 モーリオ
岩手県盛岡市材木町3-11 TEL:019-624-0008

◆生活工芸館
福島県大沼郡三島町大字名入字諏訪ノ上395 TEL:0241-48-5502

『クロワッサン』1169号より

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