完熟梅の楽しみかた──塩で、砂糖で、お酒で。完熟梅を漬けてみよう!
撮影・鍋島徳恭 文・松本あかね
完熟梅とは樹上で完熟させ、自然に落下するのを待って収穫したもの。日差しを吸い込んだような黄金色とフルーティな香りが特徴で、青梅とは違う魅力があると料理研究家の松田美智子さん。「いつもの梅仕事の幅が広がり、きっと新しい発見がありますよ」
一番の魅力は杏やプラムに似た甘い香りと、完熟しているから水分が出やすく、漬かる時間が短くて済むこと。梅ジュースや梅酒はふくよかで甘酸っぱい味わいになる。完熟した果肉で作る梅酒やジャムは料理やデザートにも展開できて重宝する。出回るのは青梅の旬からおおよそ2、3週間後の6月中旬から下旬ごろ。ネットショップや道の駅で購入できるが、庭に梅の木があれば、下にシートを敷いて落ち梅を拾ってもよし。塩分・糖分を控えめにするとより香りや果実感を楽しめる上、アレンジもしやすい。
「紹介しているレシピは青梅でも可能ですので、ぜひ作ってみてください」(松田さん)
塩で、砂糖で、お酒で。完熟梅を漬けてみよう
完熟梅の下処理
塩や醤油で
●梅醤油
梅数個でできる調味料。鰹節や昆布などを少し足すと旨みが加わる。漬けた梅は刻んで薬味や炒め物に。
【材料】
醤油…3カップ
完熟梅…3個
【作り方】
1. 消毒した瓶に醤油、完熟梅を入れ、折ったペーパータオルで蓋をしてから瓶の蓋をする。冷蔵庫に2週間おき、梅が沈んだらペーパータオルを取り除く。
2. 1カ月ほどで梅の風味と酸味が醤油に移る。そのまま冷蔵庫で保存し、風味が薄くなったら冷凍した梅、醤油を足す。
※漬けた梅は刻んでおむすびの具、冷奴の薬味、炒め物に。
●梅干し・梅酢
完熟梅は果肉が柔らかいため、重石は使わず、チャック付き保存袋で。水分が出たら梅酢として使える。
【材料】
完熟梅…1kg
天然塩…80g
【作り方】
1. チャック付き保存袋に完熟梅と天然塩を入れ、上下を返しながら水分が上がるまで冷蔵庫に1カ月ほどおく。
2. 出た水分は別に分け、梅酢として冷蔵保存。梅は平ざるに広げ、じゅくじゅくした部分がなくなるまで、裏返しながら日陰に2日間ほど干す。冷蔵保存。冷凍も可能。
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