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スパイスマニアと東京・大久保の専門店へ。知っておくと役立つスパイスの選び方と使い方。

仕入れから焙煎、ブレンドも手がけるスパイス研究家のマムさん。足繁く通う専門店でスパイスの買い方と使い方を教わりました。

撮影・黒川ひろみ 文・小澤水奈

買ったスパイスで、本格エスニックに挑戦!

香りを引き立てるコツを知って、スパイスの風味を味わい尽くそう。炒ったり、油やゆで汁に香りを移すと料理の味がぐんとレベルアップ。

 大根アチャール 

スパイスマニアと東京・大久保の専門店へ。知っておくと役立つスパイスの選び方と使い方。

南アジアの辛い漬物、アチャール。スパイスのテンパリング効果を堪能できる一品。ごまも炒り直すと香ばしさが増して、スパイスのような効果を発揮。

【材料(2〜4人分)】
大根250g
塩小さじ1と1/2
A[白炒りごま大さじ2、チリパウダー小さじ1、ターメリック小さじ1/2、塩ごく少々、レモン汁1/6個分]
フェヌグリーク小さじ1/4
太白ごま油(または米油)大さじ3

【作り方】
1.大根は、1cm弱角、5~6cm長さの棒状に切り、塩をまぶして重石をし、常温で4時間~一晩おく。
2.Aの白ごまは、軽く炒り直してからすり鉢で粗くする(厚手のビニール袋に入れ、上から麺棒などを転がして潰してもいい)。
3.大根を軽く絞り、水気をふき取る。耐熱容器に入れてAをまぶす。
4.太白ごま油を小鍋に入れて弱火にかけ、油が温まったらフェヌグリークを入れる。真っ黒になって香ばしい香りがしたら、油ごと3の大根に一気にかけて全体を混ぜる。

*できあがりを一晩おくと味がなじむ。1週間は保存可能。発酵が進んでうまみが増すことも。

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フェヌグリークはそのままでは香りはないが、炒ると刺激のある香りが出る。かむと苦みと清涼感ある風味が。このレシピでは、油で熱すると甘くなる特性を利用。

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下味をつけた大根に、フェヌグリークを熱した油ごと、ジュッとかける。

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黄色いフェヌグリークを油の中でゆっくりと黒くなるまで加熱するのがコツ。

パンチフォロンの 青菜炒め 

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ミックススパイスでいつもの青菜炒めをエスニック風の副菜に。ニゲラは、かすかにオレガノのような香りで、食べると苦みと深い甘みあり。

【材料(2〜3人分)】
ほうれん草(または青梗菜、ケールなど)1把
A[ベイリーフ 1枚、赤唐辛子 1本]
にんにくみじん切り 1かけ分
パンチフォロン 小さじ1/2
B[クミンシード 小さじ1/2、ターメリック 小さじ1/4]
塩・黒こしょう 各適量
マスタードオイル 大さじ2

【作り方】
1.ほうれん草は、洗って水気をきり、ざく切りにする。
2.Bのクミンは、フライパンか鍋で浅く炒り、ミルサー等で粉砕しておく。
3.フライパンにマスタードオイルを入れて弱火で熱し、Aを加えて油を回し、にんにく、パンチフォロンを入れて軽く炒め、ほうれん草を加えて炒め合わせる。
4.ほうれん草がしんなりしたらBをふり入れ、塩、粗く砕いた黒こしょうで味を調える。

*パンチフォロンは、じゃがいもやミックス野菜の炒め物にも合う。豆カレーを作る際に最初に香りを出すためのスパイスにも。
*マスタードオイルは、辛みのある香りが特徴。なければ太白ごま油や米油を使う。

パンチフォロンはフェンネル、マスタードシード、クミン、ニゲラ、フェヌグリークの5種のミックス。ベンガ…

パンチフォロンはフェンネル、マスタードシード、クミン、ニゲラ、フェヌグリークの5種のミックス。ベンガル地方(インド東部とバングラデシュ)やネパールで使われる。

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5種のホールスパイスを同量ずつ合わせたものがパンチフォロン。

 ライタ 

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たっぷりのヨーグルトと夏野菜を合わせるスパイシーなインド風サラダ。深く炒ったクミンで、鮮烈な風味の本格的なライタが作れる。香りと辛みで減塩しても満足感あり。

【材料(2〜3人分)】
クミンシード 小さじ1+飾り用適量
A[きゅうり 1/3個、トマト 1/4個、紫玉ねぎ 1/4個、パクチー 適量]
プレーンヨーグルト 1カップ
塩 小さじ1/4
黒こしょう 少々
チリパウダー 適量

【作り方】
1.クミンは、フライパンか鍋に入れて弱火にかけ、茶色くなるまでから炒りする。粗熱を取り、ミルサー等で粉砕する。
2.Aの野菜は、飾り用のパクチーを少々残して、すべて粗みじん切りにする。
3.ヨーグルトを混ぜてなめらかにし、塩、1のクミンパウダー小さじ1、粗く砕いた黒こしょうをよく混ぜる。
4.2の野菜を加え混ぜて器に盛り、残りのクミンパウダーとチリパウダーを重ならないよう十文字に飾り、パクチーをのせる。

チリパウダー(左)は市販のパウダーならではの軽やかさを生かす。クミンシード(右)はライタには粉にして…

チリパウダー(左)は市販のパウダーならではの軽やかさを生かす。クミンシード(右)はライタには粉にして使う。ゆっくりと茶色く炒ってから粉にするのがコツ。市販のパウダーとは違う香ばしさを楽しめる。

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クミンシードをから炒りすると、炒りごまにも似た香ばしい香りが立ってくる。

 バスマティライスのスパイスご飯 

バスマティライスの芳香に甘く複雑な風味を加え、ぱらりとゆで上げる。レトルトのインドカレー、市販のピクルスと盛るだけで、まるでお店の一品。

【材料(米1カップ分)】
バスマティライス1カップ
塩小さじ1
ベイリーフ1枚
カシア1かけ
クローブ1本
カルダモン1個

【作り方】
1.バスマティライスは、ざるに入れて流水でさっと洗う。
2.鍋に水900ml、塩を入れて火にかけ、沸騰したらスパイスをすべて加え、3分ほどふつふつと煮る。香りと色が出たら1の米を入れ、鍋底につかないように全体をかき混ぜる。
3.ぐらぐらと沸騰させながら(ふきこぼれに注意)、米を入れて10分半ほど経ったら一口食べてみる。芯がなくなり少しかたさが残る程度でざるにあけ、すぐに鍋に戻してふたをし、5分蒸らす。全体を混ぜる。

*仕上りがべたつくように感じたら、次からは鍋に戻したときに軽く火にかけてから蒸すといい。

左から・カシアはベイリーフの木の皮。このレシピには、シナモンで代用できる。グリーンカルダモンはさわや…

左から・カシアはベイリーフの木の皮。このレシピには、シナモンで代用できる。グリーンカルダモンはさわやかな甘い香り。クローブは花の蕾を乾燥させたもの。1粒で充分に香りがつく。ベイリーフはローリエよりスパイシーで香りも強め。

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米を入れる前にスパイスを煮出してあらかじめゆで汁に香りを移しておく。

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スパイス料理と相性のいいインディカ米。中でも高級品種がバスマティライス。

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インド北西部ラジャスタン地方のミックスピクルス。300g 378円(アンビカベジ&ヴィーガンショップ)

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マムさんも絶賛のレトルトカレー。200g 734円(36チャンバーズ・オブ・スパイス https://www.36cos.com/

  • マム

    マム さん

    スパイス研究家

    アジア各国のスパイスの奥深さをSNSで発信。特に南インドの体に優しいスパイス使いに魅せられている。インスタグラム@mammame_rasam

  • アヌ

    アヌ さん

    アンビカベジ&ヴィーガン ショップ新大久保店店長

    ティワリ・アヌラーグ・クマールさん。インド出身。辛いものがかなり得意。豊かな商品知識を流暢な日本語で教えてくれる。

『クロワッサン』1122号

02 / 02

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