くらし

K-POP屈指のヒット曲(G)I-DLEのNxdeが問いかける「ヌード」の意味【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】

「ヌード」の意味を問い直す、2022年のK-POP屈指のヒット曲。

ガールズグループ戦国時代の様相を呈していた2022年のK-POPシーン。そんななか下半期を代表するヒット曲になったのが2018年にデビューした5人組、(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)の「Nxde(ヌード)」です。

韓国から中国、台湾、タイにまで及ぶユニバーサルな編成の(G)I-DLEは、メンバー自らソングライティングや振り付けを行うセルフプロデュースグループ。韓国の主要チャートを完全制覇した今回の「Nxde」もリーダーのソヨン自ら総合プロデューサーを務めています。

所属事務所から「過激すぎる」との猛反対を受けて、タイトルのスペルを変えてリリースすることになった「Nxde」は、「飾られていないありのままの自分」を表現したメッセージソング。「ヌード」という言葉に向けられる猥褻な視線を皮肉りつつ、女性の性的客体化に抵抗しています。

「どうしてヌードをそんなふうに考えるの? それはあなたの見方が品性に欠けているから。型にとらわれないで考えてみて。そうしたらきっと気にいると思うよ」

そんな「Nxde」を語る上で欠かすことができないのが、曲のメッセージを踏まえた緻密な構成のミュージックビデオ。

マリリン・モンローやバンクシーへのオマージュを織り込みながら、「How do I look?」(私のこと、どんなふうに見えてる?)と繰り返し問い掛けてくる(G)I-DLEの大胆不敵さといったら。ぜひ、映像と併せての体験をおすすめします。

「Nxde」収録、(G)I-DLEの6曲入りミニアルバム『I LOVE』。

高橋芳朗 さん (たかはし・よしあき)

音楽ジャーナリスト。

著書に『ディス・イズ・アメリカ「トランプ時代」のポップミュージック』(スモール出版)など。

『クロワッサン』1085号より

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