くらし

独自路線を往くK-POP界フェミニズムの騎手、(G)I-DLE渾身の集大成【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】

(G)I-DLE 『2』

メンバー自ら楽曲制作や振り付けを行うセルフプロデュースユニットとして、群雄割拠のK-POPガールグループ界で独自の路線を追求する(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)。昨秋には本格的に全米進出に乗り出すなど、目下絶好調の彼女たちがニューアルバム『2』を発表しました。

ジェンダーロールからの解放を訴える「TOMBOY」、女性の性的客体化を痛烈に批判した「Nxde」(ヌード)、セルフラブの大切さを説く「Queencard」。ここ数年は一貫してフェミニズム的なメッセージを打ち出してきた(G)I-DLEですが、その姿勢は今回の新作でも継承されています。

まず、アルバムからの先行シングル「Wife」では家父長制への抵抗を表明。旧来的な男性社会で求められてきた慎ましく献身的な妻のイメージに反旗をひるがえしています。

そして「Wife」に続く勝負曲として登場したのが、その名もずばり「Super Lady」。扇動的なサウンドに乗せて自立した女性を讃える内容は、近年の活動を集大成するエンパワーメントソングといえるでしょう。

「さあレディたち、前へ突き進もう。決して屈したりしない、これが私の道だから。たとえ炎が燃え尽きても、どんな男たちより果敢に飛び込んでいく」

ここにきて、いよいよ同胞に「連帯」を呼び掛けてきた(G)I-DLE。自信に漲る5人の本領発揮は、ここからが本番なのかもしれません。

上から、(G)I-DLEの約8カ月ぶりのセカンドアルバム『2』。「Super Lady」「Wife」ほか、全8曲収録。ファーストアルバム『I NEVER DIE』。「TOMBOY」ほか、全8曲収録。

高橋芳朗 さん (たかはし・よしあき)

音楽ジャーナリスト

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』『金曜ボイスログ』などに出演中。共に番組選曲も担当。

『クロワッサン』1113号より

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