くらし

早替わり、ぶっ返り、宙乗り…。歌舞伎の醍醐味を味わう傑作7選。

歌舞伎ってなんだか難しそうで……、そんな思い込みが吹き飛ばされそうな娯楽色の強い作品がいっぱい! すぐに劇場に行きたくなる、おすすめを紹介します。
  • イラストレーション・辻村章宏　文・佐藤博之

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公家の一條大蔵卿は世間では阿呆ともっぱらの噂。能狂言に連日うつつを抜かしています。妻で源義経の母・常盤御前さえも楊弓遊びに興じています。
弓の的の下に平清盛の絵を発見し、平家に告げ口しようとした家老を斬って捨てる大蔵卿。源氏再興のため、作り阿呆で平家の目をあざむいていたのです。
三代目猿之助が150年ぶりに復活させた狂言。上左から（1）土手の道哲、（2）累、（3）絹川与右衛門、（4）高尾太夫、（5）足利頼兼、下左から（6）細川勝元、（7）荒獅子男之助、（8）乳人政岡、（9）仁木弾正、（10）赤松満祐の十役を一人で40回以上の早替わりで演じ分ける。
稲田姫と共に酒瓶を献上し、岩長姫を酔わせるスサノオノミコト。実は毒酒で、正体を現したヤマタノオロチと格闘のすえ、退治。
己の醜さに美女を憎む岩長姫。村では大蛇・ヤマタノオロチを恐れ、毎年一人、人身御供を捧げる習慣がありました。今年の生贄は長者の娘・稲田姫。
安達ケ原で糸繰りをしながら日がな一日を過ごす老女・岩手。そこへ一夜の宿をと旅の高僧が訪ねてくる。久しぶりの＂もてなし＂に喜び、月夜に踊り出す。
鬼女に変化し、逃げる高僧らを追いかけてくる岩手。高僧は不動明王の呪文を唱え、ついに鬼女を祈り伏せます。
妻・岩に愛想を尽かしていた民谷伊右衛門は、隣家の伊藤喜兵衛の孫娘・梅からの求婚を受け入れます。喜兵衛からの毒薬で岩の顔は腫れ、悶絶し、絶命します。
幽霊となって伊右衛門に復讐する岩。祝言の夜、化けて出てきた岩の首を落としたと思った伊右衛門ですが、死んだのは岩に取り憑かれた梅でした。
相思相愛の遊女梅川と忠兵衛。横恋慕した八右衛門が梅川を身請けしようとします。忠兵衛は負けじと手をつければ死罪となる公金の封印を切ってしまうのです。
忠兵衛に金がないのを知った梅川は何ということをしてくれた、と彼を責めます。行く場所のない二人は忠兵衛の故郷・新口村へ死出の旅路に出るのです。
兄殺しの罪で熊襲（くまそ）平定を命じられた小碓命は、平定後、ヤマトタケルを名乗ります。しかし山神退治に草薙剣（くさなぎのつるぎ）なしで出掛け、都を目前に瀕死の重症を負う。
妻子の待つ都を目前に、足が三重に曲がり、ついに絶命するヤマトタケル。白鳥に化身したタケルは夢を追い続けるため、飛び立ち、天翔けるのです。
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