くらし

怒りの原因は結局、自分の中に!? イライラしない、清い心の作り方。

  • 撮影・黒川ひろみ、谷 尚樹 文・黒澤 綾 イラストレーション・イオクサツキ

他人にイライラする

[今後のためにも「べき」ではなく「どうしてほしいか」を伝えて。]

自分の「べき」と相手の行動がズレているからイライラする。「待ち合わせの時間は守るべき」という認識一つにしても、ぴったり時間どおりでないとダメなのか、10分くらいは許容範囲なのかは人によって違うはず。

「まず、相手に言うか言わないかの線引きが必要。言う場合、曖昧な表現は避けたほうがいいです。『ちゃんと〜しよう』『早めに〜して』ではなく、『遅れるなら10分前にはメッセージを送って』などと、今後どうしてほしいかを具体的に言います」(戸田さん)

本当は許せないのに、言えずにいるというのもストレスのもと。がまんせずに、自分にとって大切なことだと認めることも必要。

「ちゃんと時間を守ろうよ」「何で早めに連絡くれないの?」なんて言い方はNG!

自分にイライラする

[怒りをモチベーションに変える!もしくは自分を許すことも必要。]

人間は不完全なので、何でも理想どおりにはできないもの。うっかりミスもあるし、能力的にできないこともたくさんあるだろう。自分への怒りがモチベーションになり、怒りをバネにして行動を起こすことができればいいのだが、過剰に自分を責めたり、暴飲暴食に走ったり、誰かに八つ当たりするのは避けたい。

「家にいると、だらだら過ごしてしまう自分が許せない、という相談もありましたが、自分を許すことだって大切です」

例えばパソコンのミスタッチなど、ミスが続いてイライラするときは、深呼吸をしたり、ちょっと席を離れて歩くだけでもリフレッシュできる。

ミスタッチを連発して「キィーッ」となったら、ほんのひととき、手を休めて深呼吸を。

不可抗力にイライラする

[自分でコントロールできないものはスパッと諦めるのが最善。]

例えば通勤時の満員電車だったり、Wi-Fiが繋がりにくいときなどは多くの人にとってイライラの”あるある”なのでは?

「気持ちはわかりますが、自分でコントロールできないことだと見極めましょう。『どうしてこんなに混んでるの?』とイライラしたところで、余計な怒りを抱え込むだけです」

多少イライラしたとしても、これ以上の怒りを溜めないためにどうすればいいかを考える。

「好きな音楽を聴く、アロマの香りを嗅ぐなど、リフレッシュ効果のある方法を探ってみては。イライラしたままだと思考停止して判断力も鈍ってしまうので、ますますいいことがありません」

怒ってもしょうがないことには怒らない。気分転換してやり過ごそう。

ひとのイライラに巻き込まれる

[相手の怒りに反応して怒るのはダメ。自己採点して状況を俯瞰する。]

誰かのイライラ、怒りがこちらに向けられているときほどつらいものはない。そんな場面ではどうすればいい?

「最悪なのは、売り言葉に買い言葉で、相手の怒りに応じて自分も怒りを爆発させてしまうことです。怒りが生じても6秒たつと理性が働きます」

もしカッとなったら、相手の言葉に即座に反応する前に、「この怒りは何点くらいかな?」と頭の中で自己採点してみよう。案外それだけで冷静になれる。

「点数をつけることに意識が向くと怒りを俯瞰でき、冷静になれるはずです。怒りの点数表を参考に、日頃から点数化するトレーニングをしてみては」

「この怒りは3点、いや4点だな」などと考えるうちに6秒たち、怒りの衝動はおさまる。
戸田久実

戸田久実 さん (とだ・くみ)

アドット・コミュニケーション代表取締役、 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事

大手企業勤務を経て研修講師に。「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施する。『アンガーマネジメント』(日経文庫)など著書多数。

『クロワッサン』1036号より

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