くらし

怒りの原因は結局、自分の中に!? イライラしない、清い心の作り方。

何かにつけていらついたり、怒りを感じるのは、こんな時代のせいばかりでもないみたい。自分の傾向を知って対策しよう。
  • 撮影・黒川ひろみ、谷 尚樹 文・黒澤 綾 イラストレーション・イオクサツキ

怒りの感情は誰にでもある自然なもの。でも、どう扱うかを知っているだけで、怒りからくるストレスを減らせるかもしれない。

「おすすめしたいのは、怒りの記録です。専門的にはアンガーログと呼ばれるもので、イラッとしたシチュエーションを書き記しておくことで、自分のイライラのツボを把握できるようになります」

こう教えてくれたのは、アンガーマネジメントを専門とする戸田久実さん。実は人によって、どんな場面でイライラするかは違っている。職場の人に対してかプライベートか、あるいは公共の場でのマナーに反応しがちな人も。

「そういった傾向を知っていると、いざその場面になったとき、一瞬冷静になり、自分を客観視できるようになります」

あなたの常識が万人に 当てはまるとはかぎらない!

怒りの背景には、「べき」が潜んでいるという。「〜するべき」「〜であるべき」という考えは理想や願望と結びついていて、それが破られたときに怒りが湧く。

「『べき』を持つのはいいのですが、他人も同じというわけではないことを肝に銘じましょう。『これって常識だよね』『普通はこうするよね』というような言葉が思い浮かんだら要注意です」

そうならないために大切なのは、自分の許容範囲を認識すること。理想どおりではなくともまぁ許せることと、許せないこととの境界線がはっきりしていれば、許せる範囲のことではイライラせずに済む。そこを見極めたうえで、近頃注目されている「アサーション」の考え方を実践しよう。アサーションとは、自分も相手も大切にした自己表現。「べき」を押し通して相手をねじ伏せようとするのはアサーションにあらず。反対に、関係を悪化させたくないからと忖度して意見を言わないのも、アサーションではNGだ。

「何でこの人はこうなの? といういら立ちがあると、アサーティブな対話はできません。自分と相手は違うと認めて、具体的に『私はこう感じた』『こうしてほしい』と伝えるのがコツです」

一朝一夕にはできないが、怒りのツボを知り、アサーションを心がければ、厄介なイライラともうまく付き合っていけそうだ。

「べき」の境界線を明確にする

(1)は自分の「べき」と合致する状況、(2)は自分と少し違うけれど許せる範囲、(3)は自分が怒る必要のある状況。(2)の領域が狭い人ほど、怒りっぽくなる傾向に。出典:日本アンガーマネジメント協会

怒りに点数をつけてみる

●0点
まったく怒りを感じていない状態

●1〜3点
イラッとするがすぐに忘れてしまえる程度の軽い怒り

●4〜6点
時間がたっても心がざわつくような怒り

●7〜9点
頭に血がのぼるような強い怒り

●10点
絶対に許せないと思うくらいの激しい怒り

怒りが爆発するのを防ぐ方法の一つに、今の怒りの度合いを採点するというものがある。表の点数はあくまで目安なので、自分で好きな点数を設定してもいい。

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