くらし

いつもの食材の食感が変わる!魔法の「塩糖水」調理法をマスター。

  • 撮影・小川朋央

【肉】あの〝困った肉〟が柔らかくジューシーに。冷めてもおいしい不思議。

しっとりチキンカツ 柚子胡椒タルタル添え

〈鶏むね肉〉サラダチキンでおなじみの鶏むね肉。低カロリーで高たんぱく質、栄養価も高いので積極的に使いたい。

「こんなチキンカツ初めて!」と、家族が喜ぶ声が聞こえそうなふっくら感とジューシーさ。

【材料(2人分)】
鶏むね肉の塩糖水漬け1枚(約250〜300g)
小麦粉・パン粉各適量
バッター液(卵1/2個分、小麦粉大さじ2、水大さじ1/2程度を混ぜ合わせたもの)
揚げ油・こしょう・キャベツの千切り各適量
柚子胡椒タルタルソース[万能ねぎの小口切り1本分、柚子胡椒小さじ½、マヨネーズ大さじ4]
カットレモン適宜

【作り方】
1.鶏むね肉は水気を切ってペーパーでしっかり拭き、斜めに厚みをそろえるよう3枚に切る。
2.1にこしょうをして小麦粉を薄くまぶし、バッター液を絡めてパン粉をつける。
3.柚子胡椒タルタルソースの材料すべてを混ぜ合わせておく。
4.揚げ油を中温(170度)に熱し、2を5〜6分程度かけてカラリと揚げ色がつくまで揚げ、油をしっかり切る。食べやすく切ってキャベツの千切り、タルタルソースとともに盛り付け、好みでカットレモンを添える。

豚切り落とし肉のゆで豚ポン酢

〈豚切り落とし肉〉手頃な価格で買える豚切り落とし肉は家計の強い味方。多めに買って塩糖水漬けで小分け保存もいい。
ゆで汁は、塩、こしょうで味を調えれば立派なスープに。

鍋ひとつでメインとスープが完成。さっぱり柔らかな豚肉は、野菜と一緒にいくらでも食べられそう。

【材料(2人分)】
豚切り落とし肉の塩糖水漬け約200〜250g
しめじ(石づきを切ってほぐす)1パック
ねぎ(斜め切り)1本
ブロッコリー(小房に分ける)1/3株
ポン酢[柚子やかぼすなど好みの柑橘のしぼり汁大さじ1と1/2、醤油大さじ1と1/2、砂糖ひとつまみ、オリーブ油大さじ1弱]

【作り方】
1.豚肉はざるにあけ、手でぎゅっと押さえて塩糖水を切っておく。鍋にたっぷりめ(1.5L程度)の湯を沸かす。ごく弱火にし、豚肉を4分の1量入れて箸で揺らしながらほぐす。あらかた火が通ったら、すくいあげてざるに取り出す。残り3回も同様に火を通す。水気が切れた豚肉を皿などに広げて冷ます。
2.1の湯を再度沸かしてアクを取り、野菜をそれぞれゆでて湯を切り粗熱をとる。
3.器に2と1を盛り付け、ポン酢を回しかける。

【魚】臭みも消えて、ふっくら仕上がるから、魚が苦手な人にこそすすめたい。

真鯛のイタリアン蒸し

〈真鯛〉天然ものが旬のこの時季は手に入るタイミングを逃さず、買ってきたら塩糖水保存するのがおすすめ。

華やかな見た目とは裏腹に、手間いらず、道具いらず。調理時間およそ15分で完成するごちそう。

【材料(2人分)】
真鯛の塩糖水漬け2切れ
プチトマト6個
アスパラガス2本
パプリカ(黄)60g
にんにく(小)1かけ
黒オリーブ6粒
塩・こしょう各適量
オリーブ油・白ワイン各大さじ1

【作り方】
1.鯛はペーパーでしっかり拭いて水気を切り、こしょう少々をふる。にんにくは横にスライスして芽を取り、トマトはへたを取る。アスパラガスは硬い部分をピーラーでむき、斜め切りにする。パプリカは食べやすく切る。
2.オーブンペーパーまたはアルミホイルを正方形に2枚切る。この上に鯛、野菜、黒オリーブをのせ、軽く塩、こしょうをし、白ワイン、オリーブ油をかけ、口を閉じる(ホイルの場合は端を細かく折りたたんで口を閉じる。ペーパーの場合は上部を折り、両端をねじる)。
3.フライパンに水を深さ1cmほど入れ2をのせる。中火にかけ、沸騰したらふたをして水がなくならないよう注意しながら10分蒸す。

鱈の治部煮風

〈鱈〉独特の臭みが塩糖水に漬けると驚くほど抑えられる。鍋の頻度が増す冬には買い置きしてあると便利。

魚と野菜の旨みがしみる、上品な味わい。とろみをまとった鱈にだし汁をからめて味わう。

【材料(2人分)】
鱈の塩糖水漬け2切れ
小松菜1束(200g)
しいたけ3枚
だし汁300ml
醤油・みりん各大さじ1
片栗粉適量

【作り方】
1.鱈は水分をペーパーでしっかり拭いて水気を切る。小松菜、しいたけは食べやすく切る。
2.鍋にだし汁、醤油、みりんを入れて中火にかける。煮立ったらしいたけ、小松菜の軸を入れる。野菜がしんなりしたら、鱈に片栗粉をまぶして鍋に入れ、再び煮立ったら弱火にし、途中一度返して鱈に火が通るまで4〜5分煮る。
3.仕上げに小松菜の葉の部分を入れてさっと火を通し、器に盛る。好みでゆずの皮を添える。

【箸休めいろいろ】野菜を漬ければ、酒の肴に、お弁当のおかずに早変わり。

ゆで野菜〈ブロッコリー〉
好みの硬さにゆでたら塩糖水に。お弁当の彩りに常備しておくと便利。

生野菜〈かぶ〉
たくさん漬けて、浅漬けとして食卓へ。昆布を入れると風味が増す。

ほかにも〈豆腐〉
絹ごし、木綿どちらでも美味。オリーブ油や黒こしょうをかけても。

上田淳子

レシピ提供

上田淳子 さん (うえだ・じゅんこ)

料理家

欧州や日本でフレンチを修業後、料理家に。『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』(世界文化社)を発表し、その調理法が注目を集める。

『クロワッサン』1035号より

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