くらし
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これって有効? それとも…?話題の脳トレ法の、正解を探る。

脳のパフォーマンス向上に良いとされる巷の情報は年々増えるばかり。気になる効果の真偽を、第一線で研究を続ける
脳科学者の杉浦理砂さんに聞きました。
  • イラストレーション・ヤマグチカヨ 文・板倉みきこ

外国語を学ぶ

(○)脳の機能への好影響がある、との報告が多数あります。

メカニズムは未解明ですが、外国語学習が将来の認知症発症リスクを低減するという研究結果があります。また、段取りを考えて物事に取り掛かるなどの行為に関わる、脳の実行機能の発達や維持に、ポジティブな影響を与えている可能性も示唆されています。使う言語によって頭のスイッチが切り替わり、脳の神経回路が強化され、機能低下が抑制されると考えられています。

職場、家庭の 整理整頓を心がける

(○)乱雑な空間は、ワーキングメモリの低下を招きます。

整理整頓されていない乱雑な空間では、気が散って注意力が散漫になり、ワーキングメモリ(WM)の機能が低下して、業務の妨げになる可能性があります。不要なものを管理しているとWMを消費するので、身の回りは常に整理整頓するのがオススメです。また、物の要・不要を判断し、イメージどおりに物の配置をしていく整理整頓や片づけは、WMの強化トレーニングとしても役立ちます。

問題を先送りにしない

(△)重要な問題にはすぐに向き合い、脳の疲労を予防して。

大事な問題であることがわかっていながら放置すると、不安や心配が繰り返し浮かび、脳にストレスが生じて疲労が蓄積し、認知機能は低下します。ただ、問題が起きたら何でもすぐ向き合えばいいというわけではありません。優先順位を考え、些末な問題は後回しにし、重要なものにすぐ向き合うことが、脳と効率アップの両面にいいでしょう。

脳トレゲームをできるだけ多くやる

(×)脳を酷使してしまえば、逆効果になります。

脳を鍛えるには、ある程度負荷をかける必要がありますが、やればやるほどいい、というわけではありません。そもそも、現代人は脳を酷使している人が多いので、さらに脳トレで負荷をかけすぎれば、脳疲労を悪化させてしまうリスクもあります。脳トレを取り入れるなら、自分にとって簡単すぎず、難しすぎないものを選び、適度な負荷をかけ、脳疲労を起こさないボリュームを心がけましょう。

TO DO LISTを作る

(○)行動をリスト化することで、ワーキングメモリの負担が減らせます。

ワーキングメモリの容量には、個人差はあるものの限界があります。やるべきことを常に頭の中に維持するためにメモリーが占有されるので、それ以上情報を保持できなくなり、仕事や学習のパフォーマンスが低下するのです。自分がやることをリストに書き出し、優先順位をつけることができれば、メモリーの負担を軽減でき、本来やるべき重要なことに能力が使えるようになります。

リフレッシュのため散歩する

(○)脳疲労を回復させたいなら、自然に触れながらの散歩が効果的。

ウォーキングは手軽にできる運動で、血流が良くなり、脳にたくさんの酸素と栄養が運ばれます。1日に1万歩以上歩く人では、5000歩未満の人に比べ、脳の容積が大きいというデータもあります。脳疲労の回復を目的にするなら、街中より公園など自然の多い場所を歩くといいでしょう。自然の中を歩くほうが、認知機能の回復効果が高いことが実証されています。

物忘れ防止に、何でもすぐにメモに取る

(△)”すぐ”ではなく、時間を置いてからのメモ書きが脳トレに。

人間の記憶は、アウトプットすることで脳に定着しやすくなる性質があります。メモを取り確認することは、大事なことを忘れないために重要です。ただ、聞いたり、文章を見た瞬間にメモを取ると、メモをしたことで安心しきってしまい、逆に記憶に残らなくなることも。情報を頭の中で保持し、少し時間をおいてからメモを取るようにすると、脳トレにもなって効果的です。

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