「マインドフルネスから一歩進んで、少し長い時間の瞑想を行うと脳はさらにクリアになります。挑戦してみてください」(綿本さん)
瞑想の鍵は姿勢だ。そう聞くと床に座り、ややこしい脚の組み方で行う“蓮華坐”(下写真)をイメージするが、必ずしもそれで行う必要はない。あぐら(下右写真)でも充分に瞑想はできる。
「大事なのは骨盤の角度です。これが悪いと瞑想に入れません。後傾すると眠くなりますし、そのまま姿勢を保とうとするとどこかに力が入り、現実世界と戦う感じになり呼吸に集中できません。逆に前傾しすぎると反り腰になり、これまた力みが入ります」
まずは骨盤をまっすぐ起こし、本来の位置に戻すことを意識する。すると自然と背すじも伸び、連動して呼吸もスムーズに。そうすることで瞑想に入りやすくなる。私たちには、身体と心が連動するメカニズムが備わっている。
「姿勢が定まったら、呼吸や尻が接している床の存在、周囲の音など、今自分が感じていることに意識を向けてみましょう。そして、その感じていることに、たとえば鳥の声なら、鳥、鳥、と心の中で言葉に置き換えてみる。これはラベリングと呼ばれるテクニックで、心を落ち着け、瞑想を深めてくれます」