くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】ステイホームにモヤモヤ。早く仕事がしたいです。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は引っ越しをして新生活が始まって早々、自粛で家にいるしかない女性からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>

再婚を期に、新しい土地へ越して来ました。
お互いに子供達も育ち、これからは自分達の時間を大切に人生を楽しもう! と始まったわけですが……。
この自粛の中、新しい仕事も探せず……やることは越して来た時の荷物の片付けくらい……お友達も知り合いも居ない……。

散歩へ出掛けてみたり、YouTubeで痩せるダンスをしてみたり。その時は気分もスッキリして前向きになるけど……どこかいつもいろんな事を考えてしまってシュンとしてしまう日々です。

やはり、気持ちの問題なのかしら……。
早く仕事がしたくてたまりません。
何かアドバイス頂けると嬉しいです! よろしくお願いします。

(ちぃ/女性/再婚をした40代です。子供は3人皆んな手が離れ自立してます。)

山田ルイ53世さんの回答

新しいパートナーと、新しい土地で、
「これからは自分達の時間を大切に人生を楽しもう!」
と新生活をスタートさせた矢先の“緊急事態”。
出鼻を挫かれ、さぞや心かき乱されていることでしょう。
お察しします。

今多くの方々が、ちぃさんと同じような境遇で、大なり小なりフラストレーションを抱えながら暮らしている。
かくいう筆者も然り、です。

新型コロナウィルスの感染拡大、それに伴う“自粛”で、スケジュールは散々。「早く仕事がしたくてたまりません!」というより、「早く仕事をしないとマジでヤバい!」という状況なので、正直、他人様にアドバイス出来る立場でもありません。

そもそも、ウィルスも自粛も、一個人の力で即座にどうこうできる話ではない。
次のお仕事や新たなご友人探しはさておき、こんなときは、「自分でどうにか出来ること」に集中することが肝要かと。

と言っても、
「何かスキルを身につけよう!」
「趣味を始めよう!」
などと“おうち時間”を有意義に、毎日を充実させましょうということではありません。

むしろその逆。

勿論、人それぞれなのは大前提ですが、「StayHome」となって以降、世の中にはその手のメッセージが溢れ返っていて少々息苦しい。
別に、ボーっと無意味に過ごしても良いのではと思ってしまいます。

いや、“新しいことに挑戦する”のは有意義なこと。
しかし、「前向きでいないと!」、「素敵に暮らさないと!」といった過剰なキャンペーンは、もはや“煽り運転”と同じ。
事故を招きかねません。

この際、新婚旅行、バカンスだと割り切って、楽しんでみてはいかがでしょうか。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
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