くらし

老後資金の目標額、絶望するのはちょっと待った!

実際のところ、老後のお金はどのくらいかかるの? 見晴らしをよくするだけで、不安な気持ちも軽くなります。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんにお話を伺いました。
  • 文・黒澤 彩 イラストレーション・100%ORANGE

老後資金の目標額を目の当たりにして、絶望するのはちょっと待った! 今からできる対策はいくつもある。

「下の図は、50代手前から老後にかけての貯蓄残高の推移をイメージしたものです。こうして見ると、老後資金をつくる最後の“貯めどき”は50代だとわかりますよね。今30〜40代の人は出ていくお金も多いとは思いますが、50代までに貯める力をつけることが大切」

貯蓄残高推移のイメージを持っておこう。

「収入ダウンの崖」が2回(配偶者のいる人は3回)あることを踏まえ、65歳までは貯蓄を取り崩さない。65歳以降も働けば、取り崩しのスタートをさらに遅らせることもできる。

(1)子どもの大学進学などで貯蓄減少
(2)最後の貯めどき
(3)
収入がダウンするので、働きつつ貯蓄を減らさない
(4)年金生活に入り、少しずつ取り崩すor 70歳まで働き、収支トントンの期間を長くする

(A)収入が高く、貯めどきなのにほとんど貯蓄できていない。
(B)再雇用で収入が減っても支出を削減できず。年間100万円近く貯蓄を取り崩してしまう。
(C)年金生活に慣れる前に子どもへ資金援助したり、海外旅行で散財して貯蓄を大幅に減らす。

貯めどきを逃さずに、収入があるうちに貯蓄をする。これが1つ目の対策。
続いて、60〜65歳まで。先に伝えたように、再雇用で働いても収入が大幅に減るこの時期をどう乗り切るか。ここが最大の難所だと深田さん。

「いかに蓄えをキープしたままで年金生活に着地するか。本格的な老後よりも、この5年間のほうが難しいのです。収支トントンの生活をするためには、働きながら、暮らしを小さくしていくことも必須。毎月決めた予算内で暮らせるように、生活コストを見直してみましょう」

また、再雇用が法制化されたとはいっても、女性社員の再雇用となると実態は厳しい傾向だという。

「働いている女性で、勤め先での再雇用が望めない場合、定年を待たず50代のうちにキャリアチェンジを検討してみてもいいかもしれません」

65歳以降は、基本的に年金収入と貯蓄だけで暮らしていく。貯蓄の取り崩しは、別の記事で計算した年間の不足分だけと決め、計画的に。ただ、50代で子どもの進学費用がかさんだり、住宅ローンの負担が大きかったりして、60歳までに思うように貯蓄できなかった人はどうすればいいのだろう?

「70歳まで働くという選択肢もあります。高齢になってまで働くなんて無理だと思うかもしれませんが、フルタイムではなくていいんですよ。年金で不足する分、たとえば夫婦で月6万円ほどを稼ぐだけなら、できそうな気がしませんか」

貯蓄は少なくても、働く期間を長くすることで、老後の始まりを遅らせることができる。これが3つ目の対策。

貯める、生活を小さくする、働く。この組み合わせで年金生活がうまく回るようになれば、人生100年時代もいいものだと思えそう。

深田晶恵(ふかた・あきえ)さん●ファイナンシャルプランナー。生活設計塾クルー取締役。コンサルティングのほか、メディア、講演などで活躍。近著に『50代からの老後のお金のつくり方』(日経BP)がある。

『クロワッサン』1014号より

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