2019年に降って湧いた老後資金2000万円問題。貯蓄がない人はどうすれば? 年金だけでは暮らせないの? など、戸惑う声が上がった。
「老後のことを漠然と不安に思っていた矢先に2000万と言われて、動揺した人が多かったようです」と話すのは、個人向けコンサルティングも行うファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。この金額は下の図にあるように、現在の一般的な夫婦2人世帯の年金収入と支出を比べた場合、年間65万円が不足するという、ひとつのサンプルとして挙げられたもの。年金額も、必要な貯蓄額も、人によって異なる。
「そもそも、公的年金は現役時代と同等の収入を保障する制度ではないので、年金だけで足りないのは当たり前なんです。私の経験上、年間60万〜70万円不足するという目安は、年金額の多少にかかわらず、それなりに現実的な金額ではないかと思います」
深田さんによれば、老後不安は“お化け屋敷”のようなものなのだという。
「何が出るのかわからないから怖い。どの角を曲がったらどんなお化けが出てくるのかをわかっていれば、それほど怖くないですよね。老後も同じです。いつ何が起きるのか知ったうえで対策をすれば、不安を軽減できます」