くらし

与論島、鳥取、愛知、スペイン……発酵文化を訪ねて、国内外へ。【井澤由美子さん】

  • 文・長谷川未緒

その土地に合った食材で作られた発酵食を、その土地で食べることには、特別なおいしさがあるのだとも。スペインでは、人生最高のアンチョビや鰯料理に出合っている。

「新鮮な鰯をシンプルに調理し、その感度は日本人に負けないほど繊細。火入れや旨味を閉じ込める技や心意気がおいしさに直結していました」

世界を股にかけた発酵食を探求する旅は、まだまだ続いていきそうだ。

「各地の発酵食や伝統料理と向き合うことは、健やかな生き方を実現するための未来と向き合うことだと考えています。食文化の歴史を知り、受け継ぎ伝える発酵保存食を巡る旅に終わりはありません」

愛知・碧南市にある小笠原味淋醸造にて、本格本みりん「みねたから」などを試飲。
米、麹の原材料にこだわり、古くからの製法で造られた杉浦味淋のみりん。できたてのみりんはぱちぱちとはじける。
フェリーで向かった与論島旅行。青い海にも感激。
冬に収穫したさとうきびのきび砂糖を仕込んで造る「きび酢」。壺が並ぶ様が見事。
福井の焼き鯖寿司。脂ののった肉厚の鯖と酢飯の相性は、抜群。
京都市の澤井醤油本店にて。口伝で守り伝えられている醤油やもろみの味に、ファンも多い。
山形・羽黒山では修行僧が漬物を作るところを見学したあと、JRのCMでも話題の参籠所(さんろうじょ)『斎館』で精進料理をいただいた。出羽三山山麓で採れた旬の山菜がメイン。
鳥取・八頭郡にある農家民宿『花ちゃん』と『みたき園』にて、山菜摘みや豆腐作りのお手伝い。採れたてのふきのとうは、ほろ苦い早春の味だ。
カニみそ丼うちこ入り。「カニがこの世で一番好き」。
鳥取の鯖すし作り名人の女性。大樽に麹で鯖を漬けているところ。
厳選したナツメの木から手摘み収穫した、島根の無農薬ナツメ。セミドライや蜜漬けに。
隠岐の島は岩牡蠣の養殖が有名。アイリッシュウイスキーをちょっと垂らして。
放牧中の隠岐牛は、島生まれ、島育ち。肉質がよく出荷頭数が少ないことから、幻の牛とも。
奄美のお祭りでいただいた「お餅借り」の料理。「地元の人が作った郷土料理はその土地そのもの」
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