くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】優秀な夫に見下され、話を聞いてもらえません。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は地頭の良い夫から見下され、理解してもらえない妻からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>
夫は所謂カメラアイを持っていて、物事を1回見聞きするだけで内容を理解し記憶出来るタイプです。
器用で仕事も出来るので尊敬しているのですが、困っているのが私の事を完全に見下していて私の話を聞いてくれない所です。
夫曰く「賃金の発生しない事は労働ではない」そうで、家事育児は労働ではないそうです。
私も時短ですが仕事をしているのですが「フルタイムで仕事しろ」と言います。 幼児3人抱えて365日ワンオペで仕事家事育児をしていると身体がボロボロです。
少しでいいから休みが欲しいのですが聞いてもらえません。
最初にお話しした通り夫は自分が器用なので私のやり方が悪いとしか思っていません。
男爵先生は、文面を拝見する限り、夫と同じように所謂「地頭が良く回転の早い」そして「(失礼な言い方ですが)出来の良くない相方を持っている」タイプだと思います。
そんなタイプの人に私のような不器用タイプの話を聞いてもらうにはどうすれば良いでしょうか? (不器用母ちゃん/女性30代。夫の事業[ほぼ365日稼働]を手伝っています。子供は小1を筆頭に3人です。)

山田ルイ53世さんの回答

率直に言って、不器用母ちゃんさんご自身にも問題がある気がします。
いや、ズケズケと申し訳ない。
伴侶を尊敬できるというのは素敵なことですが、それは双方向の場合……お互いにリスペクトの念があるときです。

今のままでは相談者が何を言おうと、旦那さんが耳を傾けることはないと思います。
仰る通り、相談者のことを「完全に見下している」からです。
他人様のご家庭に波風を立てるようなことを言うのは本意ではないのですが、ここはもう、実力行使、いや”不行使”を考えるべきかもしれません。
子供達になるべく負担の掛からぬような手立てを講じつつ(現実には難しいかもしれませんが)、一定期間ご実家へ帰るとか、疲労を訴え入院してみるとか……こんなご提案しか浮かばず情けないのですが、とにかく、相談者の有難みを旦那さんに分からせるのは、長い目で見れば大事なことかと。
「賃金の発生しないことは労働ではない」、「家事育児は労働ではない」と仰る旦那さん。
彼の御自慢の”カメラアイ”は、相談者の毎日、その奮闘ぶりを正確に撮影出来てはいないようです。
以前も、本連載で言いましたが、主婦は既に労働者……働いています。
ある意味”子育て”は人類の基幹産業、最も重要な仕事の1つと言って良い。
折角の高性能カメラも、使う人の腕が無くては宝の持ち腐れ、その典型。
ピントがズレズレで、その認識は時代錯誤も甚だしい。
残念ながら、旦那さんはカメラマンとしては三流以下のようです。

小1を筆頭に小さな子供3人をワンオペ育児、しかも、夫の事業を手伝って働いている。
そもそも、この上、どうやってフルタイムで働けるのか……甚だ疑問です。
もはや、家庭も会社も相談者の犠牲、献身で成り立っているように思えます。

このままでは、遅かれ早かれ相談者は倒れるでしょう。
そうなれば、心配なのは子供達のこと。
そして結局、旦那さんや、彼の仕事にも影響は出るでしょう。
これまでの年月の中で、固定化されてしまった関係性を変えることは、多大な労力、精神力が必要で、正直しんどいです。
しかし、ご自分を守るためにも、ひいては家族のためにも、旦那さんと真剣に対峙することを考えるときかもしれません。
臆せずに、これからは彼のことは、”使い捨てカメラ”だと思いましょう。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
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