【山田ルイ53世のお悩み相談】容姿よりも身体の相性が一番大切ではないでしょうか。

「顔や容姿は二の次」で「身体の相性が一番大切」、その点さえ満たしていれば、末長く仲良く暮らせるとお考えのしょうさん。
ご自身の離婚についても、”相性”が原因だったと総括されているのでしょうか。
いずれにせよ、人生を63年も積み重ねた経験豊富な相談者に、筆者ごとき若輩がアドバイスなどとんでもない。
あくまで個人的意見ということでご容赦下さい。
“ルイさんは男性だから……”と”男と見込んで”折角打ち明けて頂いたのに気が引けるのですが、相談者の仰ることが筆者にはいまいちピンとこない。
いや、これが”顔や容姿が凄くタイプでも、営みの相性が悪いと駄目になることも”という話ならまだ頷く余地はありますが、
「二の次だ！」
とまで言い切られては違和感があります。
いや、価値観は人それぞれ。
他人様に迷惑・害が及ばぬ限り、心の中は自由です。
決して、相談者のポリシーを否定するものではありません。
しかし、”二の次”発言を相手の女性がどう思うか教えろということであれば、
「……キモッ！」
といったところではないでしょうか。
いや、キツイ言い方で申し訳ないのですが、世の女性の大半が相談者と同じ哲学の持ち主、とは正直考え難い。

発言の主が誰か、というのも重要なポイントかと。
これが似合う、さまになる人物は現実的には非常に限られてくるはずです。
誰もが認めるハンサム、周囲がハッと息をのむような美女が、
「やっぱ、大事なのは相性だよね！」
と言うのなら、
（まあまあまあ……）
と納得する向きもあるでしょう。
あるいは、ビジネスやアート、スポーツ等で素晴らしい実績を上げた人間なら、
「顔や容姿などどうでも良い！」
との言葉にも説得力が生じます。
要は、それくらいでないとカバーしきれぬほど、身も蓋もない発言だと思うのです。
勿論、相談者は「社長　島耕作」レベルのルックスとスペックの持ち主だからこそ、今のスタンスに至ったのでしょうが、そうでない場合は、
「お前が言うな！」
の一言で終了。
中には、
「顔は二の次って、あたしはブスってこと!?」
と受け取る方もいらっしゃると思います。

そもそも、「相手がどう思うのか？」と気にされていますが、ご相談の文面には、”心”や”性格”に言及した部分が見当たらない。
そんな相談者が、相手の気持ちを知りたいというのは、矛盾してはいないでしょうか。
結局のところ、”二の次”にしているのは”顔や容姿”ではなく内面、お相手の人格……と悪く映る可能性があります。

お付き合いや結婚といった濃い人間関係には、楽しいことも沢山ありますが、不安や葛藤、わだかまりといった負の感情も付き物。
たとえ体が１つに合わさり相性バッチリだったとしても、それらがパッと消えるわけではない。
『テトリス』のようにはいきません。
“相性”云々は、紆余曲折色々あって、お付き合いした結果、最後に辿り着く地点のはず。
「すぐ確かめたくなる」などと、口に出さずとも、
（なんか端折ろうとしてる？）
とお相手の不信感を招きかねません。

誰かが一生懸命作ってくれたお弁当を、
「見た目なんかどうでも良い！肝心なのは味だ！」
と手掴み、鷲摑みでグチャグチャと食べ、その後、
「旨い！」
とコメントしたところで、相手は喜ぶでしょうか。
何度も言いますが、そういう考えがあっても構わないし、同意見のお相手もどこかにいることでしょう。
ただ、だとしても、一々声高に言ったり、思ったりすることではない。
無作法です。
お相手からすれば、自分の容姿やモノの考え方、”これまでの人生” に ”今日のコーディネイト” に至るまで、二の次にして欲しいことなど何一つないのですから。