正常圧水頭症 (せいじょうあつすいとうしょう)
原因と特徴
頭蓋骨の中にある脳脊髄液が過多になることで発症する病気です。正常な状態であれば、脳脊髄液は一定量が産生されては吸収されるといった循環を繰り返しますが、この病気の場合、脳脊髄液が過剰に増えてしまい、脳障害を引き起こします。原因不明の特発性正常圧水頭症と、原因が明らかな続発性正常圧水頭症があり、後者は頭部の外傷やくも膜下出血、髄膜炎などが原因として挙げられます。高齢になるほど発症しやすくなり、高血圧や糖尿病患者は発症リスクが高いということが報告されています。症状の特徴として、認知症、尿失禁、歩行障害がみられます。「忘れっぽくなった」「トイレに間に合わないことが増えた」「転びやすくなった」などがある場合、正常圧水頭症を疑ってみましょう。正常圧水頭症における認知症の症状では、記憶力の低下よりも自発性や集中力の低下が目立つ傾向があります。
治療
正常圧水頭症では、症状の項目を確認し、頭部CTやMRIの画像検査と、髄液排除試験によって検査・診断を行い、脳室腹腔短絡術や脳室心房短絡術、腰椎腹腔短絡術の3通りから治療を検討していきます。