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Vol.50 一年中カイロを手放せません【40歳からのからだ塾WEB版】

こんにちは、ライターの及川です。
冷え症で悩む人は、男性よりも女性に多いですよね。それに、夏のクーラーが苦手だったり、手足が冷えて温めてもなかなか解消されなかったりと、冷えの感じ方や悩みは人により様々。私の体験では、やせていたころはいつも寒かったように記憶しています。食事をきちんと取るようになってからは、冷え症は自然と遠ざかっていきました(体重と脂肪は確実に増えましたが)。
今回は、冷え症の中でも「一年中冷えてカイロが手放せない」「汗をかけない」などの悩みに注目しました。冷えにはいろいろなタイプがあって、温めるだけでは解消しない冷えもあるそうです。どんな対処法が有効なのか、詳しくお伝えします。

文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

全身型冷え症にベストな対処法は?

自分でできる対処法としては

●体を保温すること(熱が逃げないようにするため)
●食事の量を増やすこと(熱を生み出すため)
●ストレスを減らすこと(自律神経の乱れを予防するため)
●運動をすること(代謝を上げ熱を生み出す)

などが大事になります。
運動は、「ウォーキングなどの有酸素運動を毎日10〜15分、続けるとよいでしょう」と伊藤医師。

それでも改善しない場合には、漢方薬や鍼灸などの治療を受けるという方法もあります。東洋医学では、冷え症は「未病」として治療します。
「全身型に対応する漢方薬としては、体温を上げる作用のある四逆湯や通脈四逆湯などを使います」(伊藤医師)

単なる冷えと思っていたら…。女性はこんな病気に注意!

よくある冷えの症状だと思っていたら、実は病気が原因だったということもあります。
例えば、「甲状腺機能低下症や橋本病」があげられます。
「そもそも、甲状腺ホルモン異常は圧倒的に女性に多い疾患。一度は検査を受けておいたほうが良いでしょう。甲状腺機能低下症では、熱産生に関わる甲状腺ホルモンの分泌が減るために体温が低下します。検査で甲状腺ホルモン値が正常でも、下限ギリギリの値だと冷えを感じる人もいます。この場合は、疾患自体の治療も考慮して治療すべきでしょう」(伊藤医師)

更年期症状とも似た症状が現れるので、見逃さないようにしたいですね。

〈甲状腺機能低下症の主な症状〉
体が冷える、寒がりになる、肌の乾燥やむくみがひどい、抜け毛が気になる、発汗量が減少、体重増加、やる気が出ないなど。

ついやってしまいがちなアレも冷えの原因に!

意外にも! 風邪薬の飲み過ぎでも冷えが起こる場合があるとか。
「消炎鎮痛剤や総合感冒薬(風邪薬)には体温を下げる解熱作用があり、こうした薬の飲み過ぎが冷えの原因となっている可能性もあります。持病があって薬を使わざるを得ない場合は別として、総合感冒薬や鎮痛薬を乱用するのは避けたほうがよいでしょう」(伊藤医師)

知りませんでした…。冷え症と一言で言っても、本当に様々な原因があるのですね。次回は、こちらも女性に多い「下半身冷え」を取り上げます。


ご協力いただいた医師
伊藤 剛さん 北里大学大学東洋医学総合研究所(北里大学客員教授)
いとう・ごう●冷えをはじめ、自律神経疾患、ストレス疾患、消化器疾患など様々な体の不調を研究し、漢方薬や鍼灸と現代医学を融合して診療に当たる。北里大学客員教授。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!

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