からだ

Vol.50 一年中カイロを手放せません【40歳からのからだ塾WEB版】

こんにちは、ライターの及川です。
冷え症で悩む人は、男性よりも女性に多いですよね。それに、夏のクーラーが苦手だったり、手足が冷えて温めてもなかなか解消されなかったりと、冷えの感じ方や悩みは人により様々。私の体験では、やせていたころはいつも寒かったように記憶しています。食事をきちんと取るようになってからは、冷え症は自然と遠ざかっていきました(体重と脂肪は確実に増えましたが)。
今回は、冷え症の中でも「一年中冷えてカイロが手放せない」「汗をかけない」などの悩みに注目しました。冷えにはいろいろなタイプがあって、温めるだけでは解消しない冷えもあるそうです。どんな対処法が有効なのか、詳しくお伝えします。
  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

冷え症は、冷えのタイプや原因によって、対処法が異なる!?

冷え症は自覚症状であり、原因も冷えの程度も人により様々。とはいえよくある症状だけに、体を温めるなど、自己流のケアで対処している人も多いのでは。
しかし、「実は冷えにはタイプがあり、それによって対策が少しずつ異なる」と、長年冷え症の研究と診療にあたっている北里大学東洋医学総合研究所の伊藤 剛医師は言います。
まずは、自分の冷えのタイプを知ることが大事なのです。

冷えが起こるプロセスですが、人の体には体温を調節するための3つの過程があり、何らかの理由で①熱を作る力、②熱を運ぶ機能、③熱を逃がす機能に異常をきたした場合に、冷えやすくなるのだそう。「こうした原因を無視してやみくもに温めても、冷えの症状が改善するとは限りません」(伊藤医師)
自分なりに冷え対策をしたり、冷えの対策グッズも色々試したりしてきたけれど、よくならないという人は、対策が自分に合っていなかった可能性があります。

伊藤医師はこれまでの研究から、冷えのタイプを次のように分類しています。

■冷え症には主に4つのタイプがある

資料提供:伊藤 剛

このうち、カイロが手放せないほど一年中冷えている状態は、手足だけでなく、全身に冷えを感じる「全身型」の可能性があります。体温を測ると低い(実測式体温計で計測し36・3度以下、月経がある人は高温期に測ること)、汗をほとんどかかないなども、このタイプの特徴。体温が低下すると免疫機能も落ち、風邪にもかかりやすくなります。冷え症ではありませんが、中には、全身が冷えて温度差を感じにくいため、逆に冷えを感じにくくなる「隠れ冷え」の人もいるそうです。

「全身型の主な原因は、極端な栄養不良や代謝機能の低下により、体内で熱が作れないこと。体温のセットポイント(基準)が低下しているために全身が冷える場合は、冷えに気づかないこともあるので要注意です。体質や年齢のほか、不摂生やストレスによる自律神経の乱れが原因で起こることもあります」と伊藤医師。

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