そもそも自分には他人を不快にするほどの口臭があるのかないのか? 自分では判断しがたいからこそ、においの分類や成分を知り、原因を一つずつ解消していくことが、不安を払拭する近道といえる。東京医科歯科大学大学院助教、財津崇さんによれば、
「外来に来る患者さんで最も多いのは50代の女性です。年齢が高くなるにつれて歯周病の悪化や唾液量の減少により、口臭は強くなる傾向にありますが、60代以降は会社をリタイアしたりして気にする方が減ってきます。また、男性より女性のほうが口臭への意識が高く、外来が平日診療でもあるので、50代女性が多いようです」
つまり、リタイアしたりして社会との接点が少なくなると、口臭を気にしなくなる傾向があるということ。口臭への意識は、まず人間関係ありきなのだ。口臭への意識の高い人や悩みの深い人たちは、インターネットで情報を集めたり、かかりつけの歯科医院で相談したりして、病院の「口臭外来」を訪れる。また、患者の8割以上は真性口臭症で、実際に客観的に口臭が認められる、と財津さん。
「さらに、真性口臭症の90%以上は口の中の病気や汚れが原因です」