睡眠専門医に聞く、質のいい眠りのために、してはならない10のこと。
毎日の何げない習慣が、良い睡眠の妨げになっているかもしれません。意外なあれこれ、思い当たるところありませんか? RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長の白濱龍太郎さんに聞きました。
撮影・角戸菜摘 イラストレーション・伊藤ハムスター
× ランチに辛いものを食べることが多いです。
暑い季節に汗をかきかき食べる辛ーいランチは美味しい。しかし、
「睡眠のためには、昼食に辛いものはあまりおすすめできません」
眠気は深部体温(身体の奥の体温)が高い状態から低い状態に下がる、その落差によって引き起こされる。自然な状態であれば体温は起床後11時間でピークとなり、その後、夜にかけて徐々に下がっていく。しかし、昼に唐辛子に多く含まれるカプサイシンを摂取すると体温が急に上がり、その後、急降下。本来より早く眠気が訪れてしまうので、夜の入眠に影響が出る。
「食べるなら夜に。もしランチで食べたなら、夕方に軽い運動をして体温をいちど上げるといいです」
× 寝る前に熱めのお風呂で温まってからベッドへ。
暑い夏に、熱めのお湯で大いに汗を流すのはとても爽快なもの。しかし……。
「42℃以上の熱いお風呂は、全身皮膚への刺激によって交感神経が活発になり目が覚めてしまいます」
しかしながら、お風呂に入ること自体は安眠にとても有効。心身がリラックスすると副交感神経が優位になり、また、体温をじんわり上げることでその後の放熱を導き、自然に眠気が生じるからだ。
「理想は、38〜41℃前後の、少しぬるいかな?と思う温度のお湯に15分程度入ること。ぬるいお風呂が好きではない人、長時間の入浴が苦手な人は、42℃の足湯がおすすめです」
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