更年期プロジェクトの研究発表!マットで睡眠の質は上がったか? | 女性ホルモン | クロワッサン オンライン
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更年期プロジェクトの研究発表!
マットで睡眠の質は上がったか?

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こんにちは。メノポーズカウンセラーでライターの及川夕子です。更年期に入ると、元気が出ない、体がつらい、疲れやすいといった悩みが大きくなりませんか? 私は、以前よりもしっかりと休養をとることが欠かせなくなりました。眠れないと次の日がとにかくつらい。日々調子よく、元気に過ごすために「睡眠」の大切さを痛感しています。

そんな実体験もあって、クロワッサン読者が参加した「睡眠改善プロジェクト」には、スタート時から興味津々。これは、更年期の女性を対象にした「寝具を替えたら、睡眠の質はどれくらいよくなるのか」という調査です。読者(45歳〜55歳)50名が参加。産婦人科医師の太田博明さんと太田郁子さんの協力を得て、エアウィーヴ(高反発寝具)を用い、効果を測定・評価する試みです。エアウィーヴは、スポーツ選手が海外遠征するときに丸めてキャリーバッグに乗せて持っていたりします。ニュースなどでときどき見かけるあのマットレスです。

中間報告では「朝、腰が痛くない」「昼間の生活が快適」という声も

クロワッサン930号(7月25日発売)に掲載した中間報告では、寝具を替えて1ヵ月後、参加者の更年期指数(SMI)が明らかに改善されていることが判明。更年期症状の緩和にはHRT(ホルモン補充療法)が有効とされますが、HRTをしてもなおとれなかった「不眠」が、寝具によって改善された人が多かったのです。中には腰痛が軽くなった人や昼間の生活が快適になった人もいて、引き続き調査結果の発表をワクワクして待っていました。

寝具を替えて、更年期指数も睡眠の質も改善

そしていよいよ10月22日(土)、「第15回更年期と加齢のヘルスケア学会」(平成大学中野キャンパスで開催)で、調査結果が学会発表されるということで、行ってまいりました!

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太田郁子さんの演題は、「高反発寝具を使用した睡眠習慣改善による更年期症候群症状への効果」です。
講義の中で、私がいちばん興味をひかれたのは、更年期症状の強さをはかる「更年期指数」がどんどん下がっていったという報告です。

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被験者は更年期の女性たちですから、ホルモン補充療法(HRT)をする前の平均値は81.3点と非常に高かったのです。それがHRT治療後には53.2点、それに加えてエアウィーヴを使用したら35.4点に。
「51点以上は要治療」とされていますから、エアウィーヴ使用後の35.4という数値は、かなり優秀ではないでしょうか。
更年期症状をほぼ感じないくらい、体が楽になった人もいたと思われます。

短い時間でも疲れが取れる睡眠を目指す方が、満足度が上がる

睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率などについても、改善が見られました。HRTだけでも睡眠の改善は見られましたが、エアウィーヴをプラスすることでさらに改善されていったそうです。

太田郁子さんは、このように分析しています。
●更年期症状と呼ばれている一連の症状は、全てが女性ホルモンの低下に起因するものではない可能性がある
●更年期症候群という疾患の性質上、加齢による変化や知らず知らずのうちに無理が来ている生活習慣などからきている症状も更年期症状に含まれてしまう
●今回の調査で顕著に改善されたのは、冷え、抑うつ、肩こり、倦怠感、関節痛といった症状。原因の一部は不眠にあったと考えられる

更年期症状の緩和には、睡眠導入剤や抗不安薬などが使われることもありますが、それらの薬は、眠らせてはくれるものの、寝返りを打つようにしたり、快適な睡眠リズムにする作用はないために、睡眠時間をたっぷりとっても、しっかり寝た気がしないそうです。それでは、肩こりや疲れがとれないのも当然。
「更年期女性はまだまだ若い年代ですから、むしろ良質な寝具を選び、短い時間でも疲れが取れる睡眠を目指す方が、睡眠の満足度は上げられる、昼間のパフォーマンスも上がると考えます」と太田さんは話していました。
睡眠導入剤を使用している人と使用していない人での比較試験も意味があるということなので、引き続きこの研究が続くといいなあと思いました。

肌のキメもよくなった!

ぐっすり眠ることは肌にもいいい気がしますが、同調査では、「肌のキメ」が非常によくなったという結果も報告されました。
更年期世代は、代謝、肌質ともに低下してくる世代です。健やかな肌を保つには、毎日老廃物をきちんと分解して、翌日に持ち越さないことが大切なのですが、眠りの質が悪くなると、それも難しくなります。
睡眠の質が改善されれば、肌質をはじめ、体水分量や体脂肪率なども「いまのベストな状態」に戻る効果は充分期待できるとのことです。

最後に、私自身、とても共感できた太田郁子さんからのメッセージを紹介したいと思います。
「若いころはどんな寝具でも疲れがとれたけれど、そろそろ寝具も疲れをとる道具として選ばなくてはならない年齢になってきたということ。それが今回の研究の意味するところですね。年齢に合わせて、休み方、睡眠のとり方を考えましょう。それが、いまの年齢らしく、健康に楽しく生活できることにつながります」

いかがでしたか?
睡眠の質改善には、寝具選びなどのセルフケアが効果を発揮する。
むしろ、セルフケアを積極的に取り入れた方がよい結果が出るということなのですね。
ぐっすり眠った気がしないという人は、寝具を見直してみると睡眠習慣がガラリと変わるかもしれません。
「ホルモン補充療法(HRT)+高反発寝具」を試してみるのも手です。
新しい寝具にからだが慣れるまでには1〜2週間はかかるようですから、すぐに結果が出なくても数週間は試してみたほうがよさそうです。
眠りの質を高めて、更年期を少しでも楽に過ごしましょう。

更年期女性の睡眠プロジェクト調査の概要
調査対象は、ホルモン補充療法(HRT/更年期症状を緩和する目的で行う)を1年以上受けている女性50人。年齢は45歳〜55歳。睡眠導入剤の使用はなし。従来の布団を2週間使った後にエアウィーヴを1か月間使用。それぞれの使用期間の後に、PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)や体組計、スキンアナライザーなどを使って、睡眠の改善状況や筋肉量、水分量、体重、肌のシワ・キメなどを調べました。更年期症状の強さを調べる「簡略更年期指数(SMI)」も、使用前、使用後に実施。

太田郁子さん

倉敷平成病院 総合美容センター 婦人科医長
おおた・いくこ●婦人科医師。日本産科婦人科学会専門医。専門は、子宮内膜症、子宮腺筋症、更年期障害、ホルモン治療など。自身も更年期世代にさしかかり、患者と同じ目線での診療は人気が高い。二児の母でもある。

及川夕子
おいかわ・ゆうこ

更年期まっただ中の医療ライター。メノポーズカウンセラーや健康食品コーディネーターの資格を生かし、美容・医療分野の取材・執筆を中心に活動。
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