【ヨガのポーズ74】天蓋のポーズ——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
天蓋のポーズ
“ぐーんと脇が伸びて気持ちいいですよ”
床に座って両脚を広げ、右脚を床につけたまま曲げます。左手で左の足指をつかみながら、右腕で頭を覆うようにしてカラダを傾けます。深い呼吸をして8秒。反対側も行います。1日1回。
覆う
鷲が羽を広げて雛たちを雨風から守る場所を作るように、安心できる場所をもとう――そんな思いで紹介するポーズです。頭の上に覆いを広げるように、カラダの側面から腕までを伸ばします。イメージは天蓋。その中では、安心して気持ちや体調を整えることができる。誰もが、そんな時間が必要なときがあるのではないでしょうか。
貧血が重い人がいます※。打つ手はありますから、治療しましょうと言っても、彼女は「私は困っていないから」と聞き入れません。次回の予約をとりましょうと言っても、「仕事が忙しくて時間がとれない」と。でも、心拍数は高くて、少し動くとゼーゼーハーハー苦しそうに見えます。何の手も打たなければ、閉経まで10年も15年も貧血が続くでしょう。決していいことはありません。毎年同じやりとりがあると、なぜ思いが伝わらないのか、と悲しくなります。
生きやすく生きるためには、カラダのしなやかさと共に、気持ちのしなやかさも必要です。ちなみに皆さんは、婦人科検診など、毎年受けているでしょうか。1年はあっという間です。カラダを見直すために、少しだけペースダウン。羽を広げて、しっかり覆いの中でカラダを休ませましょう。晴れ間が出たら、再び羽ばたき、飛び立つための大事な時間です。
※登場するのは、複数の要素を組み合わせた架空の人物です。
Tシャツ5,500円(シュリ・ラマナ・リタ・ヨーグ/LOTUS8 TEL:03-5614-6830)
『クロワッサン』1141号より
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